...阿漕(あこぎ)でも小松(こまつ)でもかまいません...
芥川龍之介 「二人小町」
...阿漕(あこぎ)な術(やつ)です...
泉鏡花 「薄紅梅」
...阿漕(あこぎ)ヶ浦(うら)で鳴く千鳥が遠音(とおね)に聞こえるくらいのものでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...静かで蒼(あお)い阿漕ヶ浦と...
中里介山 「大菩薩峠」
...ことにこれより北へかけての阿漕ヶ浦は...
中里介山 「大菩薩峠」
...岩田川の河口を贄崎といふ安濃津に集る船は此川に入りて錨を卸す安濃の津をさしてまともにくる船の贄の岬に眞帆の綱解く贄崎のの筵ゆふかげり阿漕が浦に寄するしき浪五日伊勢の野は秋蕎麥白き黄昏に雨を含める伊賀の山近し六日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...金にかけちゃあかの他人より阿漕(あこぎ)なんだから」「来た時にそういって遣れば好いのに」比田と兄との談話はなかなか元へ戻って来なかった...
夏目漱石 「道草」
...これと云う目立った阿漕(あこぎ)なところも見えないので...
夏目漱石 「門」
...是(これ)と云(い)ふ目立(めだ)つた阿漕(あこぎ)な所(ところ)も見(み)えないので...
夏目漱石 「門」
......
野口雨情 「枯草」
...あんたのやり方は少し阿漕(あこぎ)すぎると思うんだ...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...いま阿漕(あこぎ)なことをしてないと言えるか」女の顔がますます青ざめて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...阿漕(あこぎ)が浦の度重(たびかさ)なりてそんな眼に逢う...
南方熊楠 「十二支考」
...謡曲阿漕(あこぎ)の一節に...
夢野久作 「涙香・ポー・それから」
...阿漕(あこぎ)なことをいわないで...
吉川英治 「松のや露八」
...そりゃ阿漕だよ!」とフィオーナが思わず口走って...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...あんまり阿漕だよ...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...――「阿漕たあ、一体どっちのこった! 俺あ何も、そんなこと言われる覚えはねえや! もともとこんな女(あま)におっ惚れた俺でもあるめえしさ……とにかく今になっちゃあこんな赤禿げだらけの猫婆ァの面よか、ソネートカのぼろ靴下の方がよっぽど有難えや...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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