...庄造は、彼女がカンガルーのやうに腹を膨らして、切なげな眼つきをしてゐるのを見ると、「阿呆やなあ、そないに何遍も腹ぼてになつたら、お婆さんになるばかりやないか...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...阿呆相手だからというわけなのか...
豊島与志雄 「囚われ人」
...然るべき碩学(せきがく)につけてこの宗の奥義を究めさせなければならぬ」といって久安三年四月の八日にこの子を引連れて功徳院肥後阿闍梨(あじゃり)皇円の許(もと)に入室させた...
中里介山 「法然行伝」
...それをまた阿南さんが〈必ズシモ好転セズ〉となおし...
久生十蘭 「だいこん」
...その男は阿賀妻と並んで歩いている...
本庄陸男 「石狩川」
...」「阿父さんは空つとぼけるから厭になつちまふ...
牧野信一 「父を売る子」
...訪れてきた幇間阿波太夫に青桃と冷やし焼酎を与えしめた...
正岡容 「我が圓朝研究」
...ほんとに『阿呆(あほ)らしい』ってのは...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...反対党がよいようにしてくれると考えているのも阿呆だぞ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...あれも百姓だ! 馬鹿な! 阿呆でフヌケで...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...阿部正弘は竜口(たつのくち)用邸にゐた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...阿波の北部の村々では種下しの日...
柳田国男 「年中行事覚書」
...「――南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」立ちながら九兵衛はそこを片手で拝んで...
吉川英治 「江戸三国志」
...さながら天魔の眷族(けんぞく)を率いる阿修羅王(あしゅらおう)のようだったが...
吉川英治 「三国志」
...みなみは木幡(こばた)、奈良ぐち、阿弥陀ヶ峰...
吉川英治 「私本太平記」
...いよいよ阿波の密謀はたしかだ」と信じた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...阿波から来た三好の援軍は堺に上陸して南方の敵に対抗したが...
和辻哲郎 「鎖国」
...阿波より迎えられた足利義栄が三好三人衆を重んじて義重を省みなかったからである...
和辻哲郎 「鎖国」
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