...同じ夜ながら更の闌けるにつれて闇は深まつて行く...
有島武郎 「潮霧」
...春の夜は闌けて、甘く悩しく睡っていた...
海野十三 「白蛇の死」
...蓼太、闌更、蝶夢、嘯山、暁台、樗良、白雄、これ等はみな蕪村の友人であってほとんど同時代に各一方において覇を称していた人々であります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...第十五更(かう)闌(た)けて...
高山樗牛 「瀧口入道」
...いよいよ秋も闌(たけなわ)になってすいすいと赤蜻蛉(あかとんぼ)の飛び交う爽やかな陽射しとなってきたが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...「私はお前と宿縁があったから、お前を召(よ)んだ、良夜易闌、可即帰寝」小吏不敢辞、遂侍仙妃枕席...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...十一月末の夜は闌(ふ)けていても...
近松秋江 「狂乱」
...夜が闌(ふ)けてきつう寒うおす」と...
近松秋江 「霜凍る宵」
...立て廻した屏風(びょうぶ)の外の日影は闌(た)けていた...
徳田秋声 「足迹」
...もう春も闌けて、田園には夏らしい青葉が濃くなりかけていた頃、肉屋の息子と農家の娘の恋は芽を吹いた...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...白牡丹咲かば夜遊の淵酔に君を見んとす春闌けよかし晶子さんの若い頃の歌は...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...闌更(らんこう)によりて盛(さかん)に用ゐられたるにやあらん...
正岡子規 「俳人蕪村」
...闌更(らんこう)の句は力は足らんけれどもやはり牡丹のやうな処がある...
正岡子規 「病牀六尺」
...寛政になると闌更(らんこう)白雄(しらお)の如き...
正岡子規 「病牀六尺」
...天保七年には春の未だ闌(たけなは)ならぬうちに...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...宴闌(たけなわ)なる時...
森鴎外 「渋江抽斎」
...陳闌(ちんらん)などという大将も...
吉川英治 「三国志」
...(二七・一〇・五)秋闌(た)けてのこる浅間と画家一人*治承四年という年は...
吉川英治 「随筆 新平家」
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