...元より迂闊(うかつ)な振舞をしては...
芥川龍之介 「邪宗門」
...私こそ貴方の迂闊屋さんには驚いたわ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...それは深い闊(ひろ)い井戸のようなものであった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「汪士秀」
...それがいかにも闊達な愛嬌たっぷりの笑顔だったもので...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...陽(ひ)の眼(め)を知らぬ原始林の幾日幾夜の旅の間わたくし 熟練な未知境の探険者はたゞふかぶかと頭上に生ひ伏した闊葉の思ひつめた吐息を聴いたのみだ...
富永太郎 「原始林の縁辺に於ける探険者」
...其土地は私の村とは違つて樹立も稀に只田が闊々として何処にも日が一杯に射して居た...
長塚節 「隣室の客」
...私は女というものに深い交際(つきあい)をした経験のない迂闊(うかつ)な青年であった...
夏目漱石 「こころ」
...これも四角な字を読んでおりました」大店(おおだな)の主人らしい闊達(かったつ)さはありますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...気がついていてもそれを何とも思わずにいたのは随分迂闊(うかつ)だが...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...いてふ等(など))と『落葉闊葉樹(らくようかつようじゆ)』(さくら...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...僕は余程迂闊であつたと思つた...
牧野信一 「魚籃坂にて」
...私は花を見て始めてそんなところにそんな樹があつたのかと気づく自分の迂闊さをわらひたかつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...平服で群衆の中を闊歩してゆく太公か何かの顔色に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...率直と闊達、それを山口は補習学校でも評判のいい女教師である瀧子に対して自分のとりえとして示すのであった...
「鏡の中の月」
...そういうのではない内容での闊達さ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...良三の如きは頭を一つ竈(べっつい)にしてどてらを被(き)て街上(かいじょう)を闊歩(かっぽ)したことがあるそうである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...僧侶くさみの少しもない闊達な老人で...
横光利一 「夜の靴」
...水戸の城下を横刀闊歩(おうとうかっぽ)...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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