...それが下り闇の夜にでもなると...
薄田泣菫 「雨の日に香を燻く」
...闇の夜の、におい山路(やまみち)たどりゆき、かな哭(な)く声に消えまよいけり...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...夏の闇の夜に路上の牛糞(ぎゅうふん)の上に蛍を載せておいたり...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...闇の夜や霧のある時入港を容易ならしむる仕掛けであるそうな...
寺田寅彦 「話の種」
...それは出席者が闇の夜に網を携えて野外の小川へ投じて...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...こんな時には早く寝てしまった方がと……厠(かわや)から出て手水鉢(ちょうずばち)の雨戸を一尺ばかりあけて見ると、外は闇の夜です...
中里介山 「大菩薩峠」
...真の闇の夜ではなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...闇の夜を選(よ)って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...闇の夜に鬼火を見るような物凄さがあるかと思うと...
平林初之輔 「愛読作家についての断片」
...自分の親父の舟が眼の先きの闇の夜の海に――さうだ...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...一寸先きは闇の夜の人間だからそれまあー仕方のない事さ...
牧野富太郎 「植物記」
...暗い闇の夜に高知から郷里に向かっての帰途...
牧野富太郎 「火の玉を見たこと」
...闇の夜には外へ出られない代り月の夜の美しいこと...
正宗白鳥 「避病院」
...秋ももう大分深いころで、左様さ、ちょうど今日このごろの季節だったが――」雁が、北の方へ、浅草田圃の、闇の夜ぞらを、荒々しく鳴いてすぎた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...まさか、五助が、ここまで跟(つ)けて来ているとは、思いもかけなかったろうが、闇の夜道なり、人家は途切れた野中なり、ハッと思った風で、道案内に、先きへ立っていたのが、浪路を囲うように、うしろへまわって、「おいそぎ下すって――」と、低く、不安気に囁(ささや)く...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...折柄の糠雨を宿で借りた傘で避けながら闇の夜道をいそいだ...
山村暮鳥 「小川芋銭」
...おもへば一切は闇の夜のこと...
山村暮鳥 「小川芋銭」
...燈(ひ)が見える」しかし――行けども行けども闇の夜道に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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