...譬えば闇の夜が吐く溜息を聞くかと思った...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...闇の夜に顏も見得ず別れて終つたやうな氣がしてならない...
伊藤左千夫 「奈々子」
...沼がところどころ闇の夜の星に光った...
田山花袋 「田舎教師」
...この物の怪のすだく風雨の闇の夜を...
田山花袋 「道綱の母」
...あとをつけて行つて聞いてやらう』と闇の夜を幸ひ後をつけて行つた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...その上、闇の夜ときたら、それこそ鼻をつままれても分らないくらい真暗だし、月の夜ときたら、眼の届く限り煌々と見渡せるし、また星の夜には、空の星々が無気味にぎらぎら輝いてるんだ...
豊島与志雄 「道連」
...」客「闇の夜より月夜の方がこわい様だぜ...
永井荷風 「町中の月」
...これが闇の夜ならばとにかく...
中里介山 「大菩薩峠」
...闇の夜が續いてそれから月の夜が續きました...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...闇の夜を狙つて外へ出ては...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...闇の夜を選(よ)って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...暦の上から考へても闇の夜だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「感心なお方――」「ほんとうに程のよい――」見送りに出た芸者、女中が、そんな風に囁き合うのを聴き流し巷路(こうじ)の闇にまぎれ込むと、闇の夜風が、鋭く頬を撫でる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...闇の夜や、茂つた森が周囲(まはり)を包む...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...かういふ闇の夜が...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...……私が、配所にあるあなた様をお慕(した)いして、闇の夜、雨風の夜も、通(かよ)うた頃の心を思い較(くら)べると、かの女子(おなご)の今はさこそと察しやられます...
吉川英治 「日本名婦伝」
...まだ粉雪の舞っている闇の夜空をながめていた...
吉川英治 「日本名婦伝」
...燈(ひ)が見える」しかし――行けども行けども闇の夜道に...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索