...江戸時代には、結婚前の若い女性たちが時間を過ごすための個室が設けられた家屋のことを閨中と呼ぶことがあった...
...「妖女! 閨中美人!」かう云ふ考へが義雄の心に浮んだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「閨中美人!」そして部落民ぢやアないかの疑ひは...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...」それは当年行われた閨中(けいちゅう)の隠語(いんご)であった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「庚娘」
...妻は閨中頂点に達することがあっても...
外村繁 「澪標」
...閨中欷歔すること頗妙...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...(下略)朝盛の出家に至りては既に公然の事實なれば何人の之を知るとも怪むに足らざれども其遺書の閨中に存せしこと并に其書中記載の事項に至りては遽に和田一門以外の人に洩るべきにはあらず...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...閨中の少女をして薄着で以て屋外の遊をなさしむるに最も適するのみならず...
原勝郎 「鞦韆考」
...これ閨中に術あるに因ってなり...
南方熊楠 「十二支考」
...その詩は前の句に「斑女閨中秋扇色(はんによけいちゆうしうせんのいろ)」という女の悲しい故事の言われてあることも知らない無学さからであったのであろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...色々と閨中(けいちゅう)のみそかごとまでを語り出したので...
柳田国男 「海上の道」
...まして閨中(けいちゅう)のあの情のこまやかさ...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...下(しも)は閨中(けいちゅう)の悶々事(もんもんじ)に到るまで...
夢野久作 「近世快人伝」
...まるで覗いて見たような閨中の睦(むつま)じさまでを...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...猶こそこはがり給はめなどうち言ひたるよ」(ねたきもの)というごとき閨中の痴情も...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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