...ばあさんの濁(だ)み声でも聞くのが関の山かと思う...
石川欣一 「可愛い山」
...ちょっとねめつけるくらいが関の山で...
大杉栄 「獄中消息」
...おそらく顔色変えて逃げ出してしまうくらいが関の山であろう...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...せい/″\カフェエの女を相手に遊んだぐらゐが関の山で...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それも全く縁のないむだ口をたたき合うくらいが関の山で...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...しかしこれらは酒興に乗じて互に弱点をさらけだす位が関の山で何も得るところはない...
新渡戸稲造 「イエスキリストの友誼」
...ご馳走になるくらいが関の山で...
野村胡堂 「胡堂百話」
...川へ突き落されるのが関の山だが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...這々(ほうほう)の体で逃げ帰るのが関の山でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そこいらへ吐き捨てるのが関の山だね……」富岡がつつぱなすやうに云つた...
林芙美子 「浮雲」
...女房に甲斐性なしと罵られる位が関の山だ...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...こんなことじゃあ、龍になって、天に昇るどころか、谷底に落ちて、這いずりまわるが、関の山じゃ...
火野葦平 「花と龍」
...せいぜいジプシイか大露西亜人(モスカーリ)の真似ごとぐらゐが関の山ぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...「太夫、おかえり前に、御隠居さまが、お礼を申したいゆえ、お居間にとのことでござります」一六折角、羽翼(はね)美しい小禽(ことり)を、わが手先きまで引き寄せながら、きゅっと捉まえる事が出来ずに、また飛び立たしてしまうような、どこまでも残り惜しく恨めしいのが、わが居間から、このまま雪之丞を去らせてしまわねばならぬ浪路の胸中であったろう――老女が、三つ指を突いているので、存分に別れることばさえ掛けられず、「では、また折もあったら、見舞ってたも」と、いうのが、関の山...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...関の山のように思われる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ただ男学生を誘惑して享楽する位が関の山らしい...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...関の山で死のうとまでした思い出が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...吸角(すいだま)や蛭をつけたりするぐらいが関の山で...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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