...空っぽの塵芥車でも発見するのが関の山であろう...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...イヤイヤとかを言えるくらいが関の山で...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...財産の半分くらい取ってしまおうと考えているのが関の山ですよ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...それも見舞の人に留守を頼んで出たついでに日にあたってくるぐらいが関の山だった...
中勘助 「胆石」
...いっそう打悄れるのが関の山です...
中里介山 「大菩薩峠」
...何んという腑抜けの沙汰と嘲られるのが関の山で――」「――――」「これが世間並の者なら...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...女房に甲斐性なしと罵られる位が関の山だ...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...こんなことじゃあ、龍になって、天に昇るどころか、谷底に落ちて、這いずりまわるが、関の山じゃ...
火野葦平 「花と龍」
...質問が関の山だろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...アーアーと途中であくびをくって味噌をつけるくらいが関の山でさあ...
正岡容 「初看板」
...「太夫、おかえり前に、御隠居さまが、お礼を申したいゆえ、お居間にとのことでござります」一六折角、羽翼(はね)美しい小禽(ことり)を、わが手先きまで引き寄せながら、きゅっと捉まえる事が出来ずに、また飛び立たしてしまうような、どこまでも残り惜しく恨めしいのが、わが居間から、このまま雪之丞を去らせてしまわねばならぬ浪路の胸中であったろう――老女が、三つ指を突いているので、存分に別れることばさえ掛けられず、「では、また折もあったら、見舞ってたも」と、いうのが、関の山...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...わが邦の発掘物としては曲玉や銅剣位が関の山だが...
南方熊楠 「十二支考」
...せいぜい一人の豚に軽蔑されるのが関の山だね...
矢田津世子 「罠を跳び越える女」
...車駕(しゃが)担輿(たんよ)など雑然と続いて行く始末なので道はようやく一日に十里(支那里)も進めば関の山という状態であった...
吉川英治 「三国志」
...逃げまわるのが関の山で...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一炊(ひとかし)ぎの米と濁酒(どぶろく)の一合の代(しろ)が関の山じゃ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...耐乏決心の関の山な覚悟だったろうかと思われる...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...我々がくぐり抜けてきた緊張のせいで生まれた純然たる幻覚だったというのが関の山であろうし...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??