...鈎の先で船室小盗(ケビンそうぢ)でもするのが関の山だ...
有島武郎 「かんかん虫」
...ばあさんの濁(だ)み声でも聞くのが関の山かと思う...
石川欣一 「可愛い山」
...せい/″\カフェエの女を相手に遊んだぐらゐが関の山で...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それを弟(おとと)の少年や盲目(めくら)のお婆さんに分けて遣(や)る位の義理が関の山であつた...
田山花袋 「朝」
...精だすぐらいが関の山ですよ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...酒席で漢詩でも作らるるが関の山であろう...
新渡戸稲造 「教育の目的」
...何んという腑抜けの沙汰と嘲られるのが関の山で――」「――――」「これが世間並の者なら...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...ご馳走になるくらいが関の山で...
野村胡堂 「胡堂百話」
...二日位が関の山だね……」「さうね...
林芙美子 「浮雲」
...こんなことじゃあ、龍になって、天に昇るどころか、谷底に落ちて、這いずりまわるが、関の山じゃ...
火野葦平 「花と龍」
...六号活字で二三行書いてくれるのが関の山だ...
平林初之輔 「探偵戯曲 仮面の男」
...せいぜい一人の豚に軽蔑されるのが関の山だね...
矢田津世子 「罠を跳び越える女」
...たかが子守っ子をおどかすくらいが関の山さ」「それが素人の悲しささ」寒笑はおほんと嘯(うそぶ)いた...
山本周五郎 「新潮記」
...ただ男学生を誘惑して享楽する位が関の山らしい...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...車駕(しゃが)担輿(たんよ)など雑然と続いて行く始末なので道はようやく一日に十里(支那里)も進めば関の山という状態であった...
吉川英治 「三国志」
...関の山で聞いておりますと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...関の山で死のうとまでした思い出が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...海の色が磨き上げられたやうにかがやきはじめたころは汽車の窓からは下ノ関の山が見えた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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