...間もなく「日報」の評判が急によくなつて來た...
石川啄木 「菊池君」
...じゃ、あの人を一度ここへ連れてくるように、北村にいってくれない」コックが旨を領して退出すると、間もなく、縛(いまし)めを解かれた早苗さんが、北村という船員に手をとられてはいってきた...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...間もなく振り返ると...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...二十日(はつか)ばかりいて間もなくまた舞い戻って来た時...
近松秋江 「うつり香」
...しかし、間もなく、当然の結果として、二人は別れてしまった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...あれから間もなく夜明けではあったものの...
中里介山 「大菩薩峠」
...間もなく、全集は、参謀副長が携えて、南太平洋をラバウルへ飛んだ...
野村胡堂 「胡堂百話」
...――ね、ガラッ八、揃いの手拭を落した人がないか、落したら、目印がなかったか、これだけの事を訊いて来てくれ」「ヘエ、そんな事ならわけはありません」ガラッ八は気軽に飛んで行きましたが、間もなく、巌丈(がんじょう)な三十男を伴れて、自身番へ帰って来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...間もなくやってくるだろう...
久生十蘭 「キャラコさん」
...舳先(へさき)がこちらに向くかと思ったが、それは眼のあやまりで、須臾(しゅゆ)のうちに白い一点になり、間もなく、それも見えなくなってしまった...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...もう間もなく落ちる...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...間もなくソバケーヴィッチの村が見えだしたので...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...トリは間もなく町でも評判の小町女中と噂され出し...
牧野信一 「熱海線私語」
...二つの鼻腔から壮烈な蒸汽を迸らせるかと見る間もなく...
牧野信一 「剥製」
...が間もなく何時ものようにその時刻から尻のほうから逆に上ってくるような水のようなものをかんじ...
室生犀星 「香爐を盗む」
...間もなく彼らは呆然となつて了つた...
横光利一 「頭ならびに腹」
...「では、間もなく、お出かけかの」「ウム...
吉川英治 「大岡越前」
...間もなく、北方には、甲斐の武田の没落が伝えられ、その年、夏の初めには、突如(とつじょ)として本能寺の変が起り、信長の死が、地殻の色をも革(か)えるほど、大きく世上を愕(おどろ)かした...
吉川英治 「剣の四君子」
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