...――五位は、提を前にして、間の悪さうに、額の汗を拭いた...
芥川龍之介 「芋粥」
...」重吉は幾分か間の悪さを感じ...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...間の悪さは、馬蛤貝(まてがい)のちょうど隠家(かくれが)...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...かくれんぼのとき、押入れの真っ暗い中に、じっと、しゃがんで隠れていて、突然、でこちゃんに、がらっと襖(ふすま)をあけられ、日の光がどっと来て、でこちゃんに、「見つけた!」と大声で言われて、まぶしさ、それから、へんな間の悪さ、それから、胸がどきどきして、着物のまえを合せたりして、ちょっと、てれくさく、押入れから出て来て、急にむかむか腹立たしく、あの感じ、いや、ちがう、あの感じでもない、なんだか、もっとやりきれない...
太宰治 「女生徒」
...生憎(あいにく)と一両ふところに持っているというこの間の悪さ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...その間の悪さも漸く救われました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...三輪の万七も間の悪さを我慢して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――お前は誰を縛ったんだ」「ヘエ――」八五郎の間の悪さはありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...右と左と念入りに見たんだから間違いはない」平次は医者の真似などをした間の悪さに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いやもう飛んだ恥を掻いて」などと間の悪さを取繕って居ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今では母から返つて擽られるやうな間の悪さを覚へた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...と云ふて別段あとへ退かうといふほどの間の悪さも感じなかつたのである...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...変な間の悪さを覚えた...
宮本百合子 「或る日」
...時には、間の悪さを堪え、新聞を見て、大崎まで行き、始めて大家と云うものの権柄に、深い辱しめを感じたこともある...
宮本百合子 「思い出すこと」
...まったく間の悪さ口惜しさのために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...もっとも、お犬様をお駕籠にのせて歩いた人間どもには要らねえ文句だが」「その元禄の世も、宝永、正徳と変って、ことしは享保三年だが、人間の悪さは、ちッとも、変って来ねえ気がするんだ...
吉川英治 「大岡越前」
...間の悪さも取れたが...
吉川英治 「松のや露八」
...部下に対する間の悪さを...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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