...長い、暑い、忙しい夏に疲れ切った心は、今晩にでも大阪を立って信州へ行こうと思う、だが、いつも金がないか、時間がないか、あるいは両方が無いかして、その儘になる...
石川欣一 「山を思う」
...四時幾分と聞いた発車時刻にモウ間がない...
石川啄木 「鳥影」
...時間がないから、急いでくれ」ロンドン塔帆村は、二等客車のなかに揺られながら東海道線を下りつつあった...
海野十三 「暗号数字」
...わたしを恨んでいる人間がないとは申しません...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...もう高松に着くのに間がないことを思わしめる...
高浜虚子 「別府温泉」
...もう時間がないんです...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...しかし低い木だとうつ向きに枝を離れた花は空中で回転する間がないのでそのままにうつ向きに落ちつくのが通例である...
寺田寅彦 「思い出草」
...今夫と比較する時間がない...
戸坂潤 「読書法」
...晩の御飯を頂いてる時なんか……だって外に出かける間がないうちに...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...緩(ゆっく)り案内をする時間がないのを残念がった...
夏目漱石 「行人」
...これも時間がないからやめます...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...運動をする時間がないのである...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...戸と戸の間に隙間がないから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それでもかれらはしじゅうあたえられた宿題(しゅくだい)をやる時間がないといって...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...院長はじりじりして、「早くやれ、時間がないんだ...
村山籌子 「こほろぎの死」
...時間がないためごく簡単ではあったが...
山本周五郎 「おばな沢」
...云つてあげた人間がない...
吉川英治 「折々の記」
...夜襲朝討ちの不安は絶え間がない...
吉川英治 「三国志」
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