...さう男ぶりを閑却するのは仏蘭西(フランス)人たる大使にも気の毒である...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...從つて精神内容の創造に沒頭する人は大抵天分の問題を第二義の問題として閑却する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...自己の享樂を追ふために同胞に對する義務を閑却するならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...彼等以外の者に對する奉仕を閑却するとき...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...自己に對する奉仕――換言すれば自己の内面に「道」を把握する努力を閑却するとき...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...ただ専門知識を吸収するのみに汲々(きゅうきゅう)としてこの点を閑却するに於ては人間は利己的となる...
大隈重信 「早稲田大学の教旨」
...奧入瀬の勝を閑却するもの多かるべし...
大町桂月 「十和田湖」
...もし俳句の趨勢(すうせい)がいよいよ進んでまったく季題を閑却する時がきたらそれはもう俳句ではなくなるのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...大体を説くというこの講義の主義からわざと閑却することにします...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...「隣り村」の方は距離の遠方ということに着眼した点を閑却することはできません...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...無論そういう「出来る」女学校も嫁入り資格を閑却する筈はない...
戸坂潤 「社会時評」
...マルクスがそのすぐ後を続けて「かかる物質的基礎を閑却するとき...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...社会を閑却するの口実とはならない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...路傍のこととして閑却するわけにはゆかないのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...その手腕を閑却することができなかったのも道理がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...無用と思って閑却すると...
中里介山 「大菩薩峠」
...この生とあの生との取捨に忙がしきが故に生と死との最大問題を閑却する...
夏目漱石 「虞美人草」
...天下万民に各々そのこころざしを遂げしむる努力を閑却するごときものは...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
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