...別段差閊(さしつかへ)もあるまい...
石川啄木 「葬列」
...犬は柵に鼻が閊(つか)えて食うことが出来ない...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
......
坪井正五郎 「コロボックル北海道に住みしなるべし」
...立ったら頭の閊(つか)える箱の中に数人の客をのせたのを二...
寺田寅彦 「箱根熱海バス紀行」
...引受けただけの仕事の材料の仕込にすら差閊(さしつか)えていることを考えずにはいられなかった...
徳田秋声 「あらくれ」
...かくてこの場合一般に問題は特殊の限られた問題であっても差閊えがない性質をもっている...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...之を法則と呼ぶのは差閊えないであろう...
戸坂潤 「科学方法論」
...と同様に無限の憎悪を以て夫に臨んでもさし閊える筈はない...
戸坂潤 「思想としての文学」
...」そこで、彼は閊えた...
豊島与志雄 「塩花」
...その歓心を得るためには何事を忍んでも差閊(さしつかえ)はないという心になっていた...
永井荷風 「ひかげの花」
...熱つぽい臭(くさ)みの爲めに飮み込んでも胸に閊(つか)へてゐたのだけれど...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...圭介にはその夜じゅう何か胸に閊(つか)えているような気もちだった...
堀辰雄 「菜穂子」
...いっこう差閊(さしつか)えない...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...ようこそ……」御無事でおめでとうという言葉は喉(のど)に閊(つか)えて出なかった...
山本周五郎 「はたし状」
...床の間が頭の閊(つか)える位低い...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...及びその影響は昔から鼻が閊(つか)える程存在している事は前に申述べた通りであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...それを武者修業と呼んで差閊へないわけであるが...
吉川英治 「折々の記」
...後が閊(つか)えてしようがねえ」「どうも済みません...
吉川英治 「醤油仏」
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