...兎(と)に角(かく)文学者(ぶんがくしや)が天下(てんか)の最幸(さいかう)最福(さいふく)なる者たるに少(すこ)しも差閊(さしつかへ)なし...
三文字屋金平 「為文学者経」
...たまたまバー・カナリヤから出て来た彼(か)の妖酒に酔いしれたお客さんだとて差閊(さしつか)えない...
海野十三 「地獄街道」
...昨夕はそのお礼を言っていたが何か事情のある人たちなんだろう……」と私も閊(つか)えているものを下すような気持でそう言ったが...
橘外男 「逗子物語」
...これもまた敷居際に閊(つか)えて滑らかに開きません...
橘外男 「蒲団」
...爪立(つまだ)てば頭が閊(つか)える天井(てんじょう)を張った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...誘導性のみを理解しても差閊えないであろう...
戸坂潤 「科学方法論」
...であるからr≡gと仮定するに差閊えはないこととなる...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...大した差閊えはないのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...但しあまり良い処へ就職の世話はして貰えないという覚悟が必要だが開業にはさし閊えない...
戸坂潤 「社会時評」
...そう云うことにさし閊えはないだろう...
戸坂潤 「読書法」
...この実在論はそのまま例えばバークリのような独我論と取りかえっこをしても差し閊えがないということになる...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...観念性をば実在性と区別することは無論差閊えない...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...胃袋の中のどこかに閊えるのである...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...言葉が閊へたりするのだが...
原民喜 「飢ゑ」
...ぎっくりと閊(つか)えて...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...新発見のつもりで研究を進めて行っても直ぐに鼻が閊(つか)えるからで...
夢野久作 「鼻の表現」
...それを武者修業と呼んで差閊へないわけであるが...
吉川英治 「折々の記」
...兩手をひろげて艱難に當つてみて差閊へない...
吉川英治 「折々の記」
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