...そう仕事の上に差し閊(つか)えることもないように思われ...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...当分家へ来ることは遠慮してもらわなければならぬと咄嗟(とっさ)に決心していた胸の閊(つか)えが跡形もなく消え失せて...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...これもまた敷居際に閊(つか)えて滑らかに開きません...
橘外男 「蒲団」
...それは物質の理論乃至運動の理論と云って差閊えはないであろう...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...言葉を換えて云えば空間表象の内に感覚が位置を占めて現われるのは差閊えないが...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...大した差閊えはないのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...そう云うことにさし閊えはないだろう...
戸坂潤 「読書法」
...どこに閊えるのか分らないが、確かに閊えて、そしてやがて、ごっとん、ごっとん、下ってゆくのである...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...西洋文化の模倣とも感化とも見て差閊(さしつかえ)はないであろう...
永井荷風 「裸体談義」
...その心持を呑込んで居たのとで閊のあるやうなことはなかつたのである...
長塚節 「我が庭」
...朝の味噌汁が胸に閊(つか)へるぢやないか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...圭介にはその夜じゅう何か胸に閊(つか)えているような気もちだった...
堀辰雄 「菜穂子」
...手当り次第――誰かに向って喋(しゃべ)らずにはいられないような胸の閊(つか)えでもあった...
本庄陸男 「石狩川」
...少く掃けば収入に差閊(さしつか)えるので...
山本周五郎 「藪落し」
...どちらから疑はれても別段今の彼には差し閊へはなかつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...張り切った死人の手足が縁に閊(つか)えて嵌(はま)らなかった...
横光利一 「南北」
...」天井に頭の閊える橇の中で...
横光利一 「旅愁」
...「……たれじゃ」「旅の僧でございます」「旅の僧とは、どこの旅の僧かよ?」「されば……」浄明は、閊(つか)えた...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??