...文芸上の作品にては簡潔(かんけつ)なる文体が長持ちのする事は事実なり...
芥川龍之介 「雑筆」
...図556は竹ばかりで出来た柄杓(ひしゃく)で、水入れ、柄、目釘の三部から成り、しっかりしていて、長持ちし、そして軽く、値段は多分一セント位であろう...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...これのみが長持ちするものだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...けれどもかかる状態が長持ちをする筈(はず)がありません...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...竹刀(しない)が長持ちに幾杯とかあったというような事を亮(りょう)の祖母から聞いた事がある...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...長持ちがするかどうかは疑問ですよ...
徳田秋声 「足迹」
...まさしく良人宅(うち)に置きたるわが箪笥(たんす)! 長持ち! 鏡台!浪子はわなわなと震いつ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...その代り何によらず長持ちのした試しがない...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...長持ち部屋だの、用途不明な部屋が、あちらこちらにあり、入り側になった廊下には、必要もない段々をつけて、わざと上ったりおりたりさせ、上の厠(かわや)といっている二ノ間つきのご不浄は、畳を敷きつめた六畳ほどの広さで、地袋の棚には、書見台と青磁の香炉が載っているといったぐあいである...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...お医者の云った事は、お君に解(わか)らなかったけれ共、十中の九までは、長持ちのしない、骨盤結核になって、それも、もう大分手おくれになり気味であった...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...「何なの」「あなたのでしょう」「あら? 前かけね」「長持ちのお布団の間から出たんですよ」由子は漠然と懐しささえ感じて...
宮本百合子 「毛の指環」
...三好 見つかりませんか?お袖 タンスや長持ちが開けられさえすれば...
三好十郎 「好日」
...おきえさんと二人で長持ちの中の片付けものをしているのだった...
矢田津世子 「父」
...麻の衣は長持ちがする故に...
柳田國男 「服裝語彙分類案」
...それはまた晴着が麻布のように長持ちせず...
柳田国男 「木綿以前の事」
...日本でむかしながらの気風を一番長持ちさせているのは...
横光利一 「旅愁」
...いつまでそんな人情がじつさい上に長持ちするわけはない...
吉川英治 「折々の記」
...長持ちする国じゃあねえ...
吉川英治 「茶漬三略」
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