...自分はこんなに長年の間苦労して待つてゐた甲斐もなく...
宇野浩二 「質屋の小僧」
...犬養氏が長年の間...
薄田泣菫 「茶話」
...長年の間まめに女中頭を勤め通した女があつた...
薄田泣菫 「茶話」
...長年の間まめに勤めてくれたお前に出て往(ゆ)かれるのはつらいが...
薄田泣菫 「茶話」
...そして長年の間毎日日記をつけていながら...
谷崎潤一郎 「鍵」
...今度は長年の間につもりつもった利息までが...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...長年の間この問題に關して熟考した結果...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「スワデシの誓」
...姉から無視され続けた長年の間に...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...私は長年の間、謙遜と諧謔と憧憬とをプレトン派に学び、エピクテイタス、マルクス・オウレリウス流に遡つてゐるにも係はらず、この劣等な学徒は徒らに営養不良に陥つたり、空しく神経衰弱に罷つたりするばかりで、己れの妄想を、理想! と称びかへるまで健全になり得なかつた...
牧野信一 「熱い風」
...長年の間妻に一枚の好い着物をつくってやるでなく...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...……ところで、あの奥のやや小さい三番目の部屋、今はやっぱり本がぎっしりつまって、その本を一人の貧相な人間が見張っているが、あれが長年の間、彼自身の部屋だった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...さうして問題の此の解決は長年の間自分を欺き通した...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...長年の間老いた法師がお祈りいたしております神や仏が憐(あわれ)みを一家におかけくださいまして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...かくして、長年の間、さまざまな形を取らせたる後、それらを忘却の河の中に入れて清め、ついに再びこれを人間の形にかえす...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その長年の間国民中の少数の神を信ずる者が代から代へと神の言を受け継いで守ったのであり...
矢内原忠雄 「帝大聖書研究会終講の辞」
...美濃の斎藤家と蜂須賀とは、公(おおやけ)な関係ではないが、かなり長年の間、一つの密盟を結んでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...この頃、ときどき思い出しては、済まないと心で詫びているのだ」「…………」「よくもおれは、長年の間、お通を苦しめたものだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それはまた更にそれが長年の間世界に供給をなした後に...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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