...または天狗長兵衛と綽名(あだな)のある名工の手の籠(こ)んだ作がある...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...多くの裁判官又は所謂男達の殘した逸話を越前守及び長兵衞の一身に集結して何時の間にか彼等を偉くして了つたと全く同じ方法で...
橘樸 「支那を識るの途」
...単に徳川時代のみに就ていふも、大久保彦左衛門、佐倉宗五郎、幡随院長兵衛、荒木又右衛門なんどいふ連中は、歴史的豪傑としては残つて居ないが、児童走卒も尚ほ能く其の名を記憶して嘖々是れを伝唱するのを思へば、彼等は正さしく口碑的豪傑の尤なるものである...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...「その駕籠、少々待たっしゃれ」女長兵衛の格で納まっているお角が垂(たれ)を上げて見ると、棒鼻をおさえているのは、権八よりはまだ若い、振袖姿のお小姓らしい美少年が、刀の鯉口を切って、「御迷惑でもござろうが、おのおの方におたずね致したい、お控え下さるよう」棒鼻をおさえての申入れが、事有りげではあったが親切でしたから、女長兵衛も、お若けえの、お控えなせえとも言えず、神妙に、「何の御用でございますか」駕籠から出て挨拶をしようとするのを、「いいや、そのままで苦しうござりませぬ、そのままでお尋ね致したいが、あなた方は、いずれへおいでになりますか」「はい、わたくしたちは、江戸から参りました者、名古屋まで参る途中のものでございます」「御婦人と見受け申す、して、その後ろのお方は……」「あれは、わたくしの主人でございます、やはり女でございます」「お二人とも、女子(おなご)づれ、しておともの衆は、この三人だけでござるか」「はい、六に、松に、芳……三人でございます」「三名ともに、江戸から御同行でござるか」「はい、二人だけは甲州から連れて参りました」「近ごろ、ご無礼の至りなれど、一応、後ろのお乗物の中のお連れにお目通りがしたい、拙者は岡崎藩の中、梶川与之助と申すもの、友人のために黙(もだ)し難き儀があって、人あらためを致さねばならぬ次第により、枉(ま)げてこの儀をお願い致す」「ご挨拶恐縮に存じます、どうぞ、充分におあらため下さいませ」と言って、お角は駕籠(かご)を出て来て、お銀様の乗った駕籠のところまで、右の美少年を案内して来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「長兵衛小屋というのは何ですか」「それは...
中里介山 「山道」
...天狗長兵衛の観音様は...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...次の旧物は「幡随院長兵衛」に定めようと話す...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...長兵衛ですし食って宿へ帰る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「長兵衛」は受け出したが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...王子扇屋海老屋の名は「鼻きゝ長兵衛」「王子の狐」の落語...
正岡容 「滝野川貧寒」
...長兵衛と呼ばれる世話好きの爺さんだった...
正岡容 「寄席」
...左官のテクニックなんか知るよしもない私たちまでこういう風に聞かされると何だかこの長兵衛という人を頼んでみたくなるようなものを覚えてくるではないか...
正岡容 「我が圓朝研究」
...然るにそれほどの腕を持ちながら怠けもので勝負事好きの長兵衛は...
正岡容 「我が圓朝研究」
...家出したお久は長兵衛の出入先...
正岡容 「我が圓朝研究」
...繰り返すようだが凡手でない(どうして旦那に長兵衛の住所が分ったか...
正岡容 「我が圓朝研究」
...旦那に長兵衛の住居の分ったのはけさお久身請に番頭が佐野槌までひと走りしてきたからである)...
正岡容 「我が圓朝研究」
...幡随院長兵衛(ばんずいいんちょうべえ)に対照してヒケを取らない博多ッ子のお手本...
夢野久作 「近世快人伝」
...長兵衛が歩みかけると...
吉川英治 「新書太閤記」
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