...長らく切磋琢磨(せっさたくま)の功を御積みになりましたが...
芥川龍之介 「邪宗門」
...長らく役場の小使をした男で...
石川啄木 「赤痢」
...長らく父が病みついている上に...
犬田卯 「橋の上」
...お前こちらの奥様(おくさん)のお宅に長らく御奉公してるの...
薄田泣菫 「茶話」
...長らく県下の郡長なぞを勤めていた...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...長らくおたよりも差上げませんでしたが皆々様御きげんようお暮しですか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...長らくなまけてゐた...
種田山頭火 「其中日記」
...(間)長らくねえ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...ロシアに関する統計を専門的に研究していたんです……ロシアにも長らく住んでいたことがあります……僕自身は『殉教者伝』など読んだことはありません……この先も読もうとは思っていません……いや...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...若い頃イギリスへ長らく留学した由で...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...長らく亜米利加に居つたさうだが...
夏目漱石 「それから」
...長らくの病院生活で...
林芙美子 「幸福の彼方」
...長らく兄の手許に保管されてゐたものだつた...
原民喜 「永遠のみどり」
...「己は長らくなんにもせずにいたが...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...」二人は長らく默つて草の中からその病人の部屋を覗いてゐた...
横光利一 「草の中」
...今迄長らく自分を恐喝してゐた恐怖も...
横光利一 「マルクスの審判」
...長らく疑問のままに捨てていた中世紀の暗さの中から見出した手応えある光った鍵ともいうべきものだった...
横光利一 「旅愁」
...松寿丸を呼んで、半兵衛が、「長らく、質子(ちし)として、それがしの手許におあずかりしていましたが、いまはその要もなしと、信長公より御帰家のおゆるしの出た御子息、久しぶりに、御父子、御対面なされたがよい」と、つつがなく、父の手へ、松寿丸を返すと、官兵衛孝高(よしたか)は、子の大きくなった身なりへ、ひと目向けたのみで、「来たか」と云い、また、その扮装(いでたち)を見遣(みや)って、「ここは、戦場、そちにとっては、一人前のさむらいに、成るか成らぬかの初陣(ういじん)の場所、父のそばへ帰ったなどと思うなよ」と、諭(さと)した...
吉川英治 「新書太閤記」
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