...そして長らく会はなかつた友達にでも出会(でくは)したやうに声をうるませて...
薄田泣菫 「茶話」
...長らく苦労を積んで来た須磨子は...
薄田泣菫 「茶話」
...長らく中風症で臥(ね)たきりの夫を扶養(ふよう)しつつ美容院を経営して...
谷崎潤一郎 「細雪」
...長らく勉強を中絶していたところ...
豊島与志雄 「椎の木」
...彼はもう長らく知らなかったほどの深い眠りに陥った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もう長らく日の光が見えなかったのである……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...若い頃イギリスへ長らく留学した由で...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...長らく亜米利加に居つたさうだが...
夏目漱石 「それから」
...長らく兄の手許(てもと)に保管されていたものだった...
原民喜 「永遠のみどり」
...「彼は長らく内臓の病に苦しんでいる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼は彼女の姿が見えなくなつてからも長らくそのまま弛んだ氣持ちでそこに立つてゐた...
横光利一 「悲しみの代價」
...自分は地金を塩化鉄で腐蝕させずにそのまま黒色を出す方法を長らく研究しているのだがいまだに思わしくいかないのでお前も暇なとき自分と一緒にやってみてくれないかというのである...
横光利一 「機械」
...その長らくの間の鬪ひから來る苦痛が...
横光利一 「書翰」
...長らく共同の生活をしたのであるから...
横光利一 「旅愁」
...越し方長らく仕えてくれて...
吉川英治 「黒田如水」
...長らく大儀だった...
吉川英治 「三国志」
...松寿丸を呼んで、半兵衛が、「長らく、質子(ちし)として、それがしの手許におあずかりしていましたが、いまはその要もなしと、信長公より御帰家のおゆるしの出た御子息、久しぶりに、御父子、御対面なされたがよい」と、つつがなく、父の手へ、松寿丸を返すと、官兵衛孝高(よしたか)は、子の大きくなった身なりへ、ひと目向けたのみで、「来たか」と云い、また、その扮装(いでたち)を見遣(みや)って、「ここは、戦場、そちにとっては、一人前のさむらいに、成るか成らぬかの初陣(ういじん)の場所、父のそばへ帰ったなどと思うなよ」と、諭(さと)した...
吉川英治 「新書太閤記」
...両の腕ともたのむ二人が帰って長らく堅氷(けんぴょう)に閉じられていたような帷幕(いばく)も...
吉川英治 「新書太閤記」
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