...折り目正しい長めな紺の背広を着た検疫官はボートの舵座(かじざ)に立ち上がって...
有島武郎 「或る女」
...一語一語彼の緩かな長めな顏に笑を交ぜ...
伊藤左千夫 「竹の里人 一」
...(船長め、どうしたのかナ)竹見は、白刄(はくじん)で頸(くび)すじをなでられたような気味のわるさをかんじた...
海野十三 「火薬船」
...それからはじに鉤(かぎ)をつけた長めの樺またはカワラハンノキをつかってそれを引きずった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...しつかりおやりよ」どちらかと云へば昔風の長めの顔をかしげて云ふのであった...
武田麟太郎 「一の酉」
...いびつな楕円形が更に長めに渦巻いて...
豊島与志雄 「朝やけ」
...見分けにくい長めの丹念な手跡で書かれて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...心持ちしゃくれながら長めに尖ってると...
豊島与志雄 「小説中の女」
...銅の帯金と赤い飾毛とのついた長めの皮の兜(かぶと)をかぶってるハンノーヴルの軽騎兵...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...長めの一種の鏡板が下に置かれて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...大きな長めの室(へや)で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...少し長めな八丈の前だれ...
樋口一葉 「わかれ道」
...そしたらまんまるい顔がすこしたてに長めになり柔かみもつきよくなりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...アアチャンは少し長めの水瓜位の形で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...黄色の生絹(すずし)の袴(はかま)を長めにはいた愛らしい童女が出て来て随身を招いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...少し長めに刈った髪を真っ直に背後(うしろ)へ向けて掻(か)き上げたのが...
森鴎外 「かのように」
...雲長めは、そういって疑うのだ...
吉川英治 「三国志」
...その時の、信広の計略では、「信長めは、生来、軽挙(けいきょ)な質(たち)だから、美濃勢が国境(くにざかい)を衝(つ)けば、すぐ城を空(から)にして出てゆくにちがいない...
吉川英治 「新書太閤記」
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