...穿鑿(せんさく)に及(およ)ばぬが...
泉鏡太郎 「怪力」
...最後にはその言が鑿(のみ)を以て磐に刻まれてその中に鉛を流しこんで永久に遺らんことを望む...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...あまり深くその定義を穿鑿(せんさく)せぬほうが都合がよろしい...
丘浅次郎 「人道の正体」
...そこではすでに哲学と他の世界との関係が穿鑿されねばならぬことになる...
戸坂潤 「思想としての文学」
...また自分でも種々穿鑿(せんさく)して...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その党に加わるもの三十人、かねがね牢番を欺いて用意して置いた、鑿(のみ)、縄梯子、丸に八の字の目印と、町役所と認(したた)めたそれぞれの弓張提灯を携え、衣類、十手、早縄まで取揃え、牢を破って乗越えた上に、これらの道具立てで、捕手の役人になりすまし、大手を振って逃げのびて、その夜、堀川通りの小寺宇右衛門ほか二カ所の屋敷を襲うて、金銀、衣類、刀剣を奪い取り、そうして、おのおの思い思いに高飛びをしたという...
中里介山 「大菩薩峠」
...タガネか鑿(のみ)でゑぐり取らうとしても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...掘鑿が突き当った...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...あれ程までに足掻(あが)きつ(もが)きつして穿鑿しても解らなかった所謂(いわゆる)冷淡中の一物(ぶつ)を...
二葉亭四迷 「浮雲」
...」これはちと穿鑿(せんさく)に過ぎた推論である...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...けれども惡氣(わるぎ)のない穿鑿好きで...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その句の巧妙にして斧鑿(ふさく)の痕を留めず...
正岡子規 「俳人蕪村」
...勉強好きなのも一種の穿鑿(せんさく)好きのようなもので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...筆者はそこまで穿鑿(せんさく)はしなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...波状の鑿痕(さっこん)到る処に存す...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...荒れきった神宮の森に、この春、鑿の音を聞くと、かれらは、耳をそばだてて、「どなた様の御寄進であろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...鑿(のみ)の先に現し得た奇蹟のようなもので...
吉川英治 「宮本武蔵」
...結局その隙間(すきま)へ鑿(のみ)の刃を挿(さ)し込んで...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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