...汽鑵の騷音と云ふか...
有島武郎 「潮霧」
...『蒸気は汽鑵の中で絶えず造られて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...鑵詰製造に必要なので釜を拵(こしら)へさせたところを思ひ出したからである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...軍服はこの錫の鑵の中にあるよ...
鈴木三重吉 「勇士ウ※[#小書き片仮名ヲ]ルター(実話)」
...汽鑵(きかん)台へ来る風が息づまるようでした...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「十時五十分の急行」
...錻力(ぶりき)の大きな薬鑵が疊の上にじかに置いてあった...
豊島与志雄 「反抗」
...火鉢にかかってた錻力の大きな薬鑵の湯で...
豊島与志雄 「反抗」
......
中原中也 「在りし日の歌」
...場合によっては煙草の空鑵一つでも兇器になり得ます...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...枕元のきまった場所へ煙草入れと笹飴の鑵を置いた...
久生十蘭 「虹の橋」
...鑵(かん)より取り出して...
福田英子 「妾の半生涯」
...鑵詰(かんづ)めにあきた登山者(とざんしや)にとつて何(なに)よりの珍味(ちんみ)です...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...直ぐに油の鑵を見つけ出すから...
牧野信一 「ゾイラス」
...家庭料理の上等にすると鳥の生肉を肉挽器械で挽いて鑵詰の雁の肝を入れて先日お覚えになった白ソースへ仏蘭西松露(ふらんすしょうろ)即ちトリフと西洋茸(せいようきのこ)即ちマシルームとを細かに切って入れて鳥の肉と一緒に塩胡椒を入れて長く煮て一晩涼しい処へ置きます...
村井弦斎 「食道楽」
...裏漉で漉して半分ほど型へ入れて寄せてその上へ鑵詰の雁の肝を置いてまたゼリーを入れて氷で冷し固めたのだ...
村井弦斎 「食道楽」
...第十六豌豆(えんどう)飯は生の仏蘭西豆(ふらんすまめ)かあるいは鑵詰(かんづめ)のものかあるいは極(ご)く若い日本の青豌豆を三...
村井弦斎 「食道楽」
...円い鑵からフィルムを取り出して窓の方に透かして見ながら...
横光利一 「旅愁」
...そこから中座の筋むかい、雁治郎飴の銀杏返(いちょうがえ)しに結った娘さんから、一鑵(かん)、ゆいわたを締めつけるように買ってきた包のなかから、古典の都市がちらちら介在する...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
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