...銀の足鐶――死人の家をよみて――囚徒らの足にはまばゆい銀のくさりがついてゐる...
大手拓次 「藍色の蟇」
...そのくさりの鐶(くわん)は しづかにけむる如く呼吸をよび 嘆息をうながし...
大手拓次 「藍色の蟇」
...一鐶去れば一鐶來る...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...裸体の儘の肩と腕とに金や珠玉の鐶(わ)を飾った下げ髪の女が...
谷崎潤一郎 「少年」
...其内にあたふたとして出て來て羽織の紐の鐶が容易に篏らないで暇どつてゐる...
長塚節 「記憶のまゝ」
...絲が切れてうまくおろせなかつた――これを窓の鐶に殘したのは曲者の大手ぬかりだ」あまりの事に一同は息を呑みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鼈甲を合せる焼ゴテの鐶(かん)を...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...金鐶(きんかん)といふ銅(どう)にめっきをした環(かん)がありまして...
濱田青陵 「博物館」
...」「この間わたくしは檣の根に打つてある鐶を掴んで放さずにゐました...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...そこで鐶を兄きに掴ませてしまつて...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...力づくで兄きにその鐶を放させようといふことは所詮不可能でございます...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...ばらばらの土のなかに半分埋まっていた大きな鉄の鐶(かん)にひっかけたのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...その蚊帳の四隅の鐶(かん)を紋の代わりに結いつけてすましていた変わり者だった...
正岡容 「圓太郎馬車」
...間断なく取手の鐶(かん)をこつこつと戸へあてた...
横光利一 「上海」
...我の妻は黄金の鐶を残して死んだ...
横光利一 「日輪」
...爾は鐶を爾の指に嵌(は)めてみよ...
横光利一 「日輪」
...彼は箪笥(たんす)の鐶(かん)に倚りかかっていた...
吉川英治 「松のや露八」
...そして時々、箪笥の鐶に、頭をぶっつけた...
吉川英治 「松のや露八」
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