...宿銭(とまり)は鐚(びた)でお定(さだま)り...
泉鏡花 「浮舟」
...彼女は鐚(わるび)れた様子もなく...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...その代り鐚(びた)一文自分の意志で使おうという気も起らぬ...
徳田秋声 「新世帯」
...なんらの価値もなく鐚(びた)一文にもならないものだと断言した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...鐚助夙(つと)に承っておりまするでげす」意外にも神尾は...
中里介山 「大菩薩峠」
...いけやせん」と鐚は扇子を斜(しゃ)に構え...
中里介山 「大菩薩峠」
...鐚というのは即ち金助のことに相違ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...「鐚だ」「鐚が気絶している」「水を吹きかけろ」「鐚――鐚やあーい」呼び続けると...
中里介山 「大菩薩峠」
...鐚は鐚で休息させて置いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...例の鐚(びた)であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...その旦那が次のような歌をお詠(よ)みになりまして、鐚、どんなもんだ、点をしてくれろとおっしゃる、内心ドキリと参りましたね、実のところ、鐚も十有五にして遊里にはまり、三十にして身代をつぶした功の者でげして、その間(かん)、声色、物まね、潮来(いたこ)、新内、何でもござれ、悪食(あくじき)にかけちゃあ相当なんでげすが、まだ、みそひともじは食べつけねえんでげすが、そこはそれ! 天性の厚化粧、別誂(べつあつら)いの面(つら)の皮でげすから、さりげなくその短冊を拝見の、こう、首を少々横に捻(ひね)りましてな、いささか平貞盛とおいでなすってからに、これはこの新古今述懐の――むにゃむにゃと申して、お見事、お見事、ことに第五の句のところが何とも言えません、と申し上げたところが、ことごとく旦那の御機嫌にかなって、錦水を一席おごっていただきやしたが、実のところ、鐚には歌もヌタもごっちゃでげして、何が何やらわからねえんでげす、後日に至りやして、三一旦那から再度の御吟味を仰せつかった時にテレてしまいますでな、どうか、その御解釈のところを篤と胸に畳んで置きてえんでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...とりあえず鐚の方へ持ちこまれた苦情のうちの一つに――いやしくも芸と名のつく以上...
中里介山 「大菩薩峠」
...全く思ひ付きだ」「へエ――」「青錢や鐚錢(びたせん)を小粒に變へたのも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...伊太郎が百も持つちや居ないだらう」「フーム」「小判は愚(おろ)か鐚錢(びたせん)一枚入つた財布を持つちや居ない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鐚銭(びたせん)が一枚飛んで来て...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分のものは鐚一文持つちや居ません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鐚(びた)錢一つ入つては居りません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鐚(びた)一文もくれはしない...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??