...丁度水蒸気の多い春の始で、たなびいた霞(かすみ)の底からは、遠くの寺の鐘が、ぼうんと、眠むさうに、響いて来る、その鐘の音が、如何にも又のどかで、聞きなれた西洋の寺の鐘のやうに、いやに冴えて、かんと脳天へひびく所がない...
芥川龍之介 「煙草と悪魔」
...その鐘の音にさそわれて飛び出してくる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...土曜日の夕ぐれ鐘の音を耳にしたりするが早いか...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...パリの防塞の中の戦士達が全市中に響く鐘の音に耳を澄している...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...落花の風にかすれ行く鐘の音(ね)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その時分鐘の音に耳をすませて...
永井荷風 「鐘の声」
...十年前には鐘の音に耳を澄ますほど...
永井荷風 「鐘の声」
...この荒野にまたあのアンゼラスの鐘の音が鳴りわたったら……とはここに住むすべての人のねがいであった...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...和歌浦(わかのうら)の深みへ身を投げて死んでおしまいなすった」紀三井寺の入相の鐘の音(ね)というところに妙に節をつけて――つまり鳴物入(なりものい)りで話にまた相当の凄味(すごみ)がついた...
中里介山 「大菩薩峠」
...鐘の音に耳を傾けるようでしたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...さきに鐘の音に耳を傾けた時も...
中里介山 「大菩薩峠」
...正午(ひる)を知らせる鐘の音が聞えて来た...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...金五郎たちの聞いた鐘の音は...
火野葦平 「花と龍」
...夜は祈りの鐘の音が薄靄の間を縫つて静かに静かに栗の木のふところまで流れて来た...
室生犀星 「愛の詩集」
...サンマルコの鐘の音の美しさも...
横光利一 「欧洲紀行」
...遠くもない鐘の音が聞えた...
吉川英治 「大岡越前」
...半鐘の音も鳴っている...
吉川英治 「銀河まつり」
...ごうん……と鐘の音が答え合った...
吉川英治 「親鸞」
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