...そこのお寺の鐘の音が...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「人魚のひいさま」
...ヤレヤレ、これで安心でした」と一同がかわるがわるの礼言葉に、医師はくれぐれも産後の注意を与えたるが、まずなにはなくとも一口とて別間に招じ、酒よ肴(さかな)と善美を尽くした饗応(きょうおう)の数々、座に連なる人々は鄙(ひな)にはまれなる気高き男女、往診料とて紙に包みし謝礼を納めて帰りしは、遠寺の鐘の音、余韻を引いてさびしく響く一時ごろであった...
井上円了 「おばけの正体」
...鐘の音はまたいくたびかひゞきわたりぬ...
高山樗牛 「清見寺の鐘聲」
...谷の向こう側にあるその寺から夕暮にきこえてくる梵鐘の音は実に美しい響きをそのあたりに伝えました...
辻潤 「書斎」
...一番に何をしようと思っているの……」「それはもう……何より先にあの鐘の音(ね)をききたいと思いますわ...
夢野久作 「ルルとミミ」
...」「自分の鐘の音ばかりにしか注意しておりませんので...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...地獄の釜の蓋のあく日がきて陰鬱な鐘の音が人を促すやうに鳴りはじめると伯母さんは気のすすまない私に花色の帷子(かたびら)をきせ...
中勘助 「銀の匙」
...夕べを告げ渡る宝蔵寺の鐘の音に...
中里介山 「大菩薩峠」
...続け打ちに打つ半鐘の音は...
中里介山 「大菩薩峠」
...そして鐘の音が一つボーン……と鳴ると...
沼田一雅 「白い光と上野の鐘」
...そして鳴りひびく鐘の音にも...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...白金(しろがね)のように鳴った鐘の音に任せてあったのだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...そういう御寺の鐘の音を聴きながら...
柳田国男 「木綿以前の事」
...およそ仏陀の鐘の音みたいに...
吉川英治 「平の将門」
...耳おどろかす半鐘の音...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...五十人も」「あの鐘の音(ね)はそれを告げておるのか」「はやく行って...
吉川英治 「宮本武蔵」
...こうして鐘の音を始めから終りまで聴(き)いているのは...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...あれを音波の長い鐘の音に置き換えるとどんな心持ちのものになるだろう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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