...いざ鏝(こて)をみづから執れと...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...帆村はせっせと鏝を動かしながらもそれを想って...
海野十三 「東京要塞」
...鏝(こて)の突き刺してある火鉢の中を覗いてみても...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...鏝でしたウェーブはのび易いが...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...婦女の頭髪は焼鏝(やきごて)をもて殊更(ことさら)に縮(ちぢら)さざる限り...
永井荷風 「江戸芸術論」
...無惨にも我れと焼鏝(やきごて)を当てて焼いてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...鏝(こて)を当てたものかのように軽く捲き上げていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...灼熱(しゃくねつ)の鏝(こて)を米友に向ってグイグイと押当てる...
中里介山 「大菩薩峠」
...焼鏝(やきごて)を当てられたように感じて引っくり返ったというだけの事...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...部屋の中には折れた鏝が散乱していた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...足塲(あしば)を昇(のぼ)りて中(なか)ぬりの泥鏝(こて)を持(も)ちながら...
一葉女史 「大つごもり」
...(腹と背中へ焼鏝(やきごて)をおっつける療法)同 六・〇〇 食塩水五〇〇瓦(グラム)...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...さっき取りこんだシャツに鏝を掛けて来てお呉れ...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...鋼鉄の鏝をつかうんですが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...太短い焼鏝を使うではないか...
柳宗悦 「全羅紀行」
...さて右足の拇指(おやゆび)に焼鏝の柄(え)を宛(あ)てがい、右手で鏝を、左手で竹を動しながら、巧(たくみ)にす早く絵附けをする...
柳宗悦 「全羅紀行」
...鏝(こて)先で朝野名士の似顔額面数十枚を作って展覧会を催したり...
山本笑月 「明治世相百話」
...瓦斯(ガス)の火で※くされた二挺(ちやう)の鏝(こて)が代(かは)る代(がは)る当てられる...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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