...シルレル「ルヘルム・テル」石工アブラハム・クップフェルは鏝(こて)を片手に足場の上で歌つてゐる...
ルイ・ベルトラン Louis Bertrand 上田敏訳 「石工」
...帆村はせっせと鏝を動かしながらもそれを想って...
海野十三 「東京要塞」
...そのためにわたしは煉瓦や鏝(こて)というものの性質に並々ならず通じるようになった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...「この鏝(こて)を焼いて置いて下さい...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...鏝(こて)の突き刺してある火鉢の中を覗いてみても...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...そして頸筋へ焼鏝(やきごて)でも当てられたようにひりひり痛んだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...無惨にも我れと焼鏝(やきごて)を当てて焼いてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...叔母は黙って火鉢(ひばち)に挿(さ)し込んだ鏝(こて)をまた取り上げた...
夏目漱石 「明暗」
...鏝(こて)をあてた頭髪(かみ)の毛が...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...鏝焼けのした、まつかな髪を振り乱して、垢染みたポプリンのワンピースを何時も着てゐたが、大柄で肥つてゐたので、洋服なぞは皮膚の一部のやうに見えた...
林芙美子 「瀑布」
...焼けた鏝(こて)でも当てられるように...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...足塲(あしば)を昇(のぼ)りて中(なか)ぬりの泥鏝(こて)を持(も)ちながら...
一葉女史 「大つごもり」
...それを型から出して焼鏝(やきごて)を当てるのですがクリームでなければ焦げた痕(あと)が付きません...
村井弦斎 「食道楽」
...どんな鋭い鏝(こて)であの微細な線を引くのか...
柳宗悦 「全羅紀行」
...さて右足の拇指(おやゆび)に焼鏝の柄(え)を宛(あ)てがい、右手で鏝を、左手で竹を動しながら、巧(たくみ)にす早く絵附けをする...
柳宗悦 「全羅紀行」
...「皺(しわ)になると使えなくなるぜ」「ちゃんと鏝(こて)がかけてあるよ」「だから読むのはよせって云うんだ...
山本周五郎 「さぶ」
...鏝(こて)先で朝野名士の似顔額面数十枚を作って展覧会を催したり...
山本笑月 「明治世相百話」
...鏝(こて)か何かで縮らした束髪に結って...
夢野久作 「暗黒公使」
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