...しかしこの春の夜の物音は何れも心を押し鎮めるような好い物音であった...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...すっかり洗いざらいお話しいたしてしまいますわ」2浪子は興奮した心を鎮めるように...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...煩悩の炎を鎮める道を...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...つとめて彼の心を取り鎮めるように仕向けなければならないと思った...
ディッケンズ Charles Dickens 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...この騒ぎを鎮めるのに十分なはずであったが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...気を鎮めるようになだめかけたが...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...さすがにこの人とても非常なる心の動揺を鎮めるのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...併し彼はなほ憤りを鎮める事は出来なかつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...囁(ささや)き合って居るのも煮えこぼれる騒ぎを鎮める役には立ちません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...疫病を鎮める目的で神祇官の行つた神事...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...魚が暴れるのを鎮めるために使うものだ...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...こんな心を鎮める位ひのことは何でもない気がした...
牧野信一 「鏡地獄」
...疾る党員達の心を圧鎮めるかのやうな沈着な羽ばたきと共に...
牧野信一 「南風譜」
...そういう聡明や鍛錬――良心を鎮めるための...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...そして我々がそれの厳密正確な形式を見出すに至るまでは我々のうちで他の意味に変るイデーの激動を鎮めるためにのみ書くようにせねばならぬ」...
三木清 「書物の倫理」
...或意味で神経を鎮める上にも...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼もその間ともかく伊勢の高い鳥居をじっと眼に泛べて心を鎮めるのだった...
横光利一 「旅愁」
...九怒りをもって怒りを鎮める事はできない...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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