...しかしこの春の夜の物音は何れも心を押し鎮めるような好い物音であった...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...結局委員を選んで詰責せしめることで会集を鎮めて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その興奮を鎮め、緊張を緩め、疲労より回復するには、是非とも天鵞絨のやうな静境を必要とする...
薄田泣菫 「独楽園」
...気をお鎮め遊ばせな...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...そんな破滅になってしまったのがあまりに理不尽であるように思えてどうしたらこの耐えがたい胸を鎮めることが出来るかと思った...
近松秋江 「霜凍る宵」
...四 風鎮めの祭儀と仮装舞踊劇胆振国山越郡八雲地方では...
知里真志保 「アイヌ宗教成立の史的背景」
...鳴りを鎮めて周囲に集まっていたが...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...来(きた)るべき災禍を鎮めてやるに違いないのだけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...お願(ねがい)だから気を鎮めておくれ」「要さんはツイ今しがた...
野村胡堂 「礫心中」
...鞭(むち)を使って鎮めるのに慣れていたので...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...飢の欲求を鎮めるために...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...そういう聡明や鍛錬――良心を鎮めるための...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...ブルブル顫(ふる)えるような身体を一そう鎮めてながめているうち...
室生犀星 「不思議な国の話」
...和島は巧みに手綱を捌(さば)いて乗り鎮めたが...
山本周五郎 「菊千代抄」
...荊州(けいしゅう)の劉表(りゅうひょう)でしょうか」「劉表」「威は九州を鎮めて...
吉川英治 「三国志」
...――足下はすぐ城兵を取鎮めに行け...
吉川英治 「三国志」
...晦(くら)きを攻め、弱きを併せ、乱るるは鎮め、逆は取って順に従わす、これ兵家の任です...
吉川英治 「三国志」
...――もう局部的な小策で鎮めえられる段階では決してない...
吉川英治 「私本太平記」
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