...大きな鎧櫃一つと...
豊島与志雄 「幻の園」
...見るだけでも見て下さい」「鎧櫃がどうしたの」「その鎧櫃の中に...
中里介山 「大菩薩峠」
...二人が鎧櫃の前後に手をかけて動かしてみたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...この暗澹たる座敷の中で、鎧櫃を前に、二人は顔見合わせて笑いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...こうなると厳然たる鎧櫃そのものが判じ物のようになって...
中里介山 「大菩薩峠」
...かの暗澹(あんたん)たる鎧櫃の座敷へ侵入しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...鎧櫃の前の塗板の柔らかそうなところへ勢い込んで槍を立てると...
中里介山 「大菩薩峠」
...これから例の以前の鎧櫃(よろいびつ)の一間に籠(こも)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...はしゃぎ廻りながら二人は冊子を見てしまうと、兵馬には見ろとも言わないで、そのまま、また鎧櫃の中へ抛(ほう)り込み、それでも感心なのは、いちいち二人でていねいに、もとの通り、鎧櫃の上へ、物の具を飾りつけて、薙刀も以前のところへかけ、そのついでに仏頂寺は障子を細目にあけて外を見まわし、「いや、この分では大した降りもないようだぞ、明るくなっている、やむかも知れない...
中里介山 「大菩薩峠」
...あなたがこの鎧櫃の中へお入りになろうとは...
中里介山 「大菩薩峠」
...これは透かし物のような鎧櫃の前立(まえだて)の文字に...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかも、ところは窮屈な鎧櫃の中ではなく、飛騨の国の平湯の温泉の一間、せんだって宇津木兵馬もこの室に宿り、仏頂寺、丸山の徒もここに来(きた)り、その時の鎧櫃、物の具の体(てい)、あの時と、ちっとも変らない一室の中でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...机も本箱も鎧櫃(よろひびつ)も槍もあり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鎧櫃の保存どころか...
牧野信一 「西部劇通信」
...更にまた鎧櫃までも抵当にして漸くその修繕を終り...
牧野信一 「バラルダ物語」
...父弥右衛門(やえもん)の持っていた古い鎧櫃(よろいびつ)か...
吉川英治 「新書太閤記」
...鎧櫃(よろいびつ)と行李(こうり)とを振分(ふりわけ)に附けている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...……しかしなかなかいい暮しをしていたとみえる、すべてが大名道具だ」「だが下手人の思慮にも似あわしくなく、どうして今日まで、このもう一つの死骸や、兇行のあと始末をつけないのでしょう」「あの晩、鎧櫃に入れて、二度にして運んで隠すつもりだったろうが、その最初に、唖が捕まったので、余燼(ほとぼり)をさましているのだろう...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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