...彼にはただ鎖(くさり)のように重苦しかったのだ...
梅崎春生 「日の果て」
...つづいて、胴中に懸っていた五、六本の鎖が、まるで紙撚(かみよ)りが水にぬれて切断するかのように、ぷつんぷつんと切れた...
海野十三 「地球要塞」
...蓋をして頂戴よオ」ギチギチとウインチの鎖(くさり)が軋(きし)んで...
海野十三 「俘囚」
...現に不可能視せらるゝ歴史上の連鎖も...
イー、エー、ゴルドン 高楠順次郎訳 「弘法大師と景教との關係」
...厳重に鎖※(さやく)せられた同邸表門を攀(よ)じ登って...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...いよいよ以て真実の鎖国家に非ざるを知るべし...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...勘定を早く」小太郎は、室の隅で、鎖鉢巻、鎖帷子(かたびら)、真綿入の下着を、二人分積み重ねて、風呂敷に包んでいた...
直木三十五 「南国太平記」
...寛政のむかし山東庵京伝(さんとうあんきょうでん)洒落本(しゃれぼん)をかきて手鎖(てぐさり)はめられしは...
永井荷風 「書かでもの記」
...銀行封鎖預金いよ/\沒收の風聞あり...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...ああ、早く鎖を解いて、このやつらに嗾(け)しかけて噛み散らかさしてやりたい、誰かムクの鎖を解いてやるものはないか」お角は自衛の剃刀を逆手(さかて)に持って、一方には寄せ来る折助の強襲に備えて味方を励まし、一方には繋がれたムクの方を見て焦(じ)れに焦れたが、「ええ、仕方がない、ああしておけばムクは焼け死んでしまう、おせいさん、力持のおせいちゃん、お前はわたしに代ってここを守って、みんなの指図をしておくれ、わたしは今ムクを助けて来るから、ムクの鎖を解いて来るから」「親方さん、危ない」「ナニ、大丈夫だよ」お角は剃刀を口にくわえて、着物の裾をキリキリと捲(まく)る...
中里介山 「大菩薩峠」
......
仁科芳雄 「國際學術會議への旅」
...あたしが今日貴方に貸したものを、貴方が返せないなんてことあるかしら? 昔は貴婦人達が騎乗槍試合に彼女達の名誉をかけて戦いに行く騎士達に、甲冑、剣、兜、鎖帷子、馬を与えたんじゃなかったかしら? さあそれで! ウージェーヌ、あたしが貴方に差し出しているものは現代の武器よ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...ソレで幕府から態々(わざわざ)池田播磨守(いけだはりまのかみ)と云う外国奉行を使節として仏蘭西(フランス)まで鎖港の談判に遣(つか)わすと云うような騒ぎで...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...Z伯爵はともかくもその囚人たちの鎖(くさり)をはずさせて...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...門の扉(とびら)は鎖(とざ)してある...
森鴎外 「阿部一族」
...「お前はその酔漢が鎖を引き摺つて出ようとしたとき...
横光利一 「マルクスの審判」
...頭に載(の)せられている鎖籠手(くさりごて)の重い手も...
吉川英治 「新書太閤記」
...その連環鎖(れんかんぐさり)の鎧馬(よろいうま)をやぶるにはどうするか...
吉川英治 「新・水滸伝」
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