...十幾年と云ふものを徒らに鎖されたる扉の前に立盡してゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...入口の戸は鎖されたが...
石川啄木 「赤痢」
...幾千幾万の旅人が地球上のあらゆる方向へ旅して行つても何処にも地球を吊つてゐる鎖や又はそれを支へてゐる台を見る事は出来ない...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...いよいよ鎖から抜け出したぞ……」と...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...例えば人間の文化の曙光時代にわれわれの祖先のまた祖先が生きて行くために必要であったある技術と因果の連鎖でこっそりつながれているのではないかという空想も起されないことはない...
寺田寅彦 「ゴルフ随行記」
...鎖国と一致するに至り...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...地所を売った封鎖の金を内密に現金に代えたり...
豊島与志雄 「波多野邸」
...絶えず首筋は鎖につなぎ止められ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...鎖鉢巻を袖の中へ隠して「油断するなよ」二人が耳を澄まし...
直木三十五 「南国太平記」
...手水鉢(ちょうずばち)を鎖(と)ざす氷...
夏目漱石 「行人」
...巨男(おおおとこ)の足には鉄の鎖(くさり)がむすばれました...
新美南吉 「巨男の話」
...鎖港論(さこうろん)を空吹く風と聞き流し...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...この灼かれた皮膚のしたに鎖を曳いて逆流する海洋...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...時間の無駄だ」ユダヤ人が首に掛けた鎖から鍵を取り出して金庫を開けた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...二児その山姥たるを知り外に出で桃の樹に上り天を仰いで呼ぶと天から鉄の鎖が下る...
南方熊楠 「十二支考」
...鎖(くさり)着込みは下に隠し...
吉川英治 「剣難女難」
...鎖(くさり)となっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...重たそうな鎖をひきずり...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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