...……なんでもかでもが自分の肉を喰(は)む毒蛇(どくじゃ)のごとく鎌首(かまくび)を立てて自分を待ち伏せしているように思えた...
有島武郎 「或る女」
...まざまざとした煩悩(ぼんのう)が勃然(ぼつぜん)としてその歯がみした物すごい鎌首(かまくび)をきっともたげるのだった...
有島武郎 「或る女」
...ネス湖の水面から変な格好をした怪物が鎌首をもちあげたのは本当だろうけれど...
海野十三 「地球盗難」
...蛇は忽ち鎌首を擡(もた)げて...
江見水蔭 「壁の眼の怪」
...素早く一様に鎌首をもたげ...
太宰治 「お伽草紙」
...「私?」私は自身に鎌首(かまくび)をもたげた蛇(へび)を意識した...
太宰治 「斜陽」
...「お休みなさい」蛇の持ち上げた鎌首を撫でると...
中里介山 「大菩薩峠」
...鎌首をもたげたままじっと睨むようにしている...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...草の中からむくりと鎌首(かまくび)を一尺ばかり持上げた...
夏目漱石 「永日小品」
...胴のない鎌首(かまくび)だから...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...すると一分立つか立たないうちに蓋の穴から鎌首(かまくび)がひょいと一つ出ましたのには驚ろきましたよ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...鎌首をもたげた蛇のような鋭いようすが現われた...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...棒でさはると鎌首を立てゝ攻撃の姿勢に出る處は如何にも物凄く...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...毒蛇が鎌首を投げた...
葉山嘉樹 「浚渫船」
...鎌首をもたげ、鎌状の毒牙(どくが)がムーアの震える手に忍び寄った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
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正岡子規 「俳人蕪村」
...それらは鬼が笑う来巳の年の新年号に「蛇の話」として出すから読者諸君は竜の眼を瞼(みは)り蛇の鎌首を立て竢(ま)ちたまえというのみ...
南方熊楠 「十二支考」
...エバを取り逃がした蛇のように鎌首を擡(もた)げて...
夢野久作 「鉄鎚」
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