...同時に又利害の錯綜した国際関係に処さなければならぬ...
芥川龍之介 「上海游記」
...このような錯綜した対照の妙は...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...錯綜した迷路を、私はひとつの街からつぎの街へと、いささかのためらいもなくさまよい歩いて、迷い子になるというような不安はすこしも感じなかった...
アンブローズ・ビアス Ambrose Bierce 妹尾韶夫訳 「マカーガー峽谷の秘密」
...その錯綜した環状の軌道をば非常な快速力で風のごとく乗りまわして最後に地面へとぶのだが...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
...人間の心理の錯綜した形を表はさうとしたのだ...
田山録弥 「或新年の小説評」
...実に錯綜した難問題で...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...かかる雑駁(ざっぱく)にして錯綜したる非論理的政制の甚(はなは)だ不都合なるは...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...春の日が錯綜した竹の葉の間を透して地上に暖か相な小さな玉を描くやうに成つてすべての草木がけしきばんで来ても...
長塚節 「隣室の客」
...それには種々の錯綜した事情もあったが...
原民喜 「四五ニズム述懐」
...ここに非常に錯綜した課題が在ると思う...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...其の持つ歓びと怖れと悲しみの錯綜した経験などは...
宮本百合子 「黄銅時代の為」
...責任感と少年ぽい恋着の錯綜した感傷をも通って来ていた...
「海流」
...種々錯綜した緑の線...
宮本百合子 「九州の東海岸」
...(このことはこれまで一度も書きませんでしたね)技術家並に経営者としての錯綜した社会性についていつかあなたも書いていらしたその通りです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...(大きいの一ヶです)実に錯綜した線ですね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...母であり又同性であるという錯綜した刺戟を蒙ってゆく過程ね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...またその新旧の錯綜した地名を...
柳田國男 「地名の研究」
...遠い時空と超次元の錯綜した淵へと至る恐怖の門口を示す目標塔となっているかのようだった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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