...銃身は錆(さび)だらけで...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...1931年の風雲を寂しく語つてゐるタンクが早晨(アサ)の大霧に赭く錆びついてゐる...
李箱 「熱河略図 No.2」
...鉄錆のあたたか味を帯びた赤い染...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...錆びた沼の水の面に映つてゐるのを私は目にした...
田山録弥 「ある日の印旛沼」
...ことしのは少し錆(さび)が勝っている...
寺田寅彦 「昭和二年の二科会と美術院」
...鴨居にあるのは小さな錆び釘で...
豊島与志雄 「浅間噴火口」
...だいぶ錆がきてはいるが...
豊島与志雄 「怪異に嫌わる」
...恐ろしく錆(さ)びている上に無銘だが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その足の不自由なのと声の錆で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お勝、お勝」案外近いところから、少し錆びた聲...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何時の間にか看視の眼を眩まして廊下の隅から錆び釘を抜き取って...
牧逸馬 「双面獣」
...六月釜無渓谷や蓼科高原の山女魚の錆がやつととれる...
正木不如丘 「釣十二ヶ月」
...お大尽(だいじん)の御来駕(ごらいが)!」「名古屋山三(さんざ)さまの御着到!」錆(さび)ごえを...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...傍のいら草の中に錆びた空罐などの散っている急な小径を下って来た...
宮本百合子 「女靴の跡」
...仏具は錆び朽(く)ち...
室生犀星 「あじゃり」
...「お釜(かま)も鍋(なべ)も錆(さ)びてるしお櫃(ひつ)は乾いてはしゃいでるし...
山本周五郎 「あだこ」
...人間万事身から出た錆と思うて……親不孝の申訳(もうしわけ)と思うて...
夢野久作 「近世快人伝」
...あけび巻(まき)の錆刀(さびがたな)をザラリと抜(ぬ)きかける...
吉川英治 「神州天馬侠」
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