...第二に藤本鉄石(ふぢもとてつせき)の樹木は錆ナイフのやうに殺気立つてゐる...
芥川龍之介 「僻見」
...賊の刀の錆(さび)とならなければならない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...いずれも何世紀間かそこにあったことを思わせる程錆びて腐蝕していた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...」辰吉は錆のある粋な笑(わらい)で...
泉鏡花 「浮舟」
...私は「錆びた銃弾」で経験した...
豊島与志雄 「書かれざる作品」
...恐ろしく錆(さ)びて居る上に無銘(むめい)だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...錆(さ)びた金具に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...冬の日沖に荒れむとして浪は舷側に凍り泣き錆は鐵板に食ひつけども軍艦の列は動かんとせず蒼茫たる海洋の上彼等の叫び...
萩原朔太郎 「氷島」
...外部の鉄錆を溶け込ませているのであったから...
葉山嘉樹 「坑夫の子」
...その底に錆びついた斑点が纔かに残されてゐる...
原民喜 「真夏日の散歩」
...凡ゆる部分々々の留釘を換へ、錆を落し、油磨きをかけて組立直して見ると、何とまあこの千八百年代の新型自転車は再び春に回(めぐ)り合つたのを微笑むかのやうにれきろくとして走り出すではないか...
牧野信一 「写真に添えて」
......
宮沢賢治 「疾中」
...火の気のない錆びた鉄火鉢の中へうず高く引裂いた本が投げこまれている...
宮本百合子 「刻々」
...「錆絵(さびえ)」で名を売りましたが仕事が最も盛(さかん)なのは銅器であります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...赤錆(あかさ)びたような白髪の...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...その機關は錆びてゐる...
吉川英治 「折々の記」
...錆(さ)びてはならないと思う...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...山かげの入江の海はいかにも冷たく錆び果てて...
若山牧水 「樹木とその葉」
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