...陰の中にうようよとうごめく群れの中からは太く錆(さ)びた声が投げかわされた...
有島武郎 「或る女」
...此処に害のない錆がある...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...沈毅な容貌に釣合う錆(さび)のある声で...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...寄宿舎の淋しい徒然(つれづれ)には錆(さび)のある声で若辰の節(ふし)を転(ころ)がして喝采(かっさい)を買ったもんだそうだ...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...錆(さび)の中かならず虫あり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...赤く錆(さ)びた鉄材の荒野...
谷譲次 「踊る地平線」
...ウリヤとバト・シェバの挿話は覚えているね? 僕の聖書の知識はやや錆びついたおそれありだが...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「曲れる者」
...長く忘れられてたために錆(さ)びていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
......
野口雨情 「枯草」
...錆びたり、虫が食ったりするものではないが、仕舞いっ放しでは、駄目になる...
野村胡堂 「胡堂百話」
...「誰だ?」中からは錆(さび)のある男の声...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...錆附(さびつ)いてはいたけれど...
林芙美子 「清貧の書」
...身から出た錆だといえばそれまでだが...
久生十蘭 「魔都」
...床板に虚しく歯車の痕が錆びてゐる...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...いいかい……おいらは三人ともオーラス丸の船長の味方だったのだ」と別の錆び沈んだ声が云った...
夢野久作 「怪夢」
...緑色の鉄のブラインドには赤錆(あかさび)が吹き始めた...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...錆(さび)のある声で静かにこう言いだした...
吉川英治 「剣難女難」
...古刀の錆はサビても薄い膜(まく)にしかなっておりませんから...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索