...『ポンプの口が白いもので覆はれてゐるのは鉛の錆ですね?』とクレエルが質問を出しました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...暫くの間に錆て了つて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...青(あを)ぶくれなる水錆沼(みさびぬ)は...
薄田淳介 「白羊宮」
...おかげで錆を落とすことができましたよ!」あとで彼女はロバアト・セシルを召し寄せて...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...大きな籠の中からとり出すのはつるのこはれた鐵瓶や錆の出たブリキ製の御飯蒸しかうやくを澤山張つた埃だらけな硝子のかけらもう日が暮れるのに家中明け放しの中でどう仕末がつくことと思はれる冷たいがらくたを一手に引受けて一々選り分け仕末する...
千家元麿 「自分は見た」
...それこそ頭に錆(さ)びた鍋(なべ)でも被(かぶ)っているような...
太宰治 「千代女」
...荒々しい曲線と角度とがもつれ合い錆で黒くなってほとんど恐ろしいばかりの巨大な前車が...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...林檎(りんご)の汁は錆色(さびいろ)に濁るのが難である...
中勘助 「胆石」
...お通し申すんだよ」奧から錆(さび)のある男の聲が掛りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――見事な青錆の浮いた徑八寸ほどのが沈んでゐるのを見付けたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...感情のねぢは錆びてぜんまいもぐだらくに解けてしまつた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...今ではもうすつかり錆びついてゐて決して使用には堪へぬものとか...
牧野信一 「鏡地獄」
...はじめはその人の声が落着のあるやうな錆をもつた声でね...
牧野信一 「早春のひところ」
...それに、招じるがよいであろう」「しからば――」と、錆ごえが答えて、「おのおの、御用意――」と、言ったと思うと、サッと、急に、かごの垂れが上げられる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...あるとすれば身から出た錆(さび)か...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...私には裏の石塀に滲んでいる鉄錆の方が...
横光利一 「欧洲紀行」
...潮湿りの錆を滲ませた胴から水を吐いた...
横光利一 「旅愁」
......
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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