...もじやもじやの鬣(たてがみ)に長い赤錆色の尾をたらし...
アーヴィング 高垣松雄訳 「驛傳馬車」
...声はやや錆(さ)びを帯びた底にほとんど筆舌を超越(ちょうえつ)した哀切の情をこもらせている...
芥川龍之介 「文章」
...」辰吉は錆のある粋な笑(わらい)で...
泉鏡花 「浮舟」
...柳は錆(さ)びた色をしてこれも風に靡(なび)いている...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...自分の頭に錆(さ)びた鍋(なべ)でも被(かぶ)っているような...
太宰治 「千代女」
...鉄棒はざらざらに錆びて居て...
谷崎潤一郎 「Dream Tales」
...錆(さ)び果てた鐘は再び鳴ろうとした...
田山花袋 「蒲団」
...わけもなく……心は錆びて...
中原中也 「在りし日の歌」
...恐ろしく錆(さ)びて居る上に無銘(むめい)だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...錆(さび)の上がつた中婆さんのお石では...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...赤錆びたトタンの扉をめくって...
火野葦平 「糞尿譚」
...三枚の紙を通すのにも錆のために妨げられて快く通らない...
正岡子規 「病牀六尺」
...環はいわば身から出た錆で...
三浦環 「お蝶夫人」
...自分の大刀に錆の出ていることを盗見させた逸話は有名である...
宮本百合子 「木の芽だち」
...まだ錆びてやしない...
三好十郎 「好日」
...職工を叱する錆びた声……なぞの中には...
夢野久作 「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」
...名人の槌が錆(さ)びたのね...
吉川英治 「野槌の百」
...山かげの入江の海はいかにも冷たく錆び果てて...
若山牧水 「樹木とその葉」
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