...「この奥戸は去年の洪水で堤防が鋸の歯のように決潰した場所です」と野口がいえば...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...木の鋸屑(をがくづ)のやうな花の白みが...
薄田泣菫 「独楽園」
...その日が来ると、父は鋸を手に、私はまた手ぶらでその秋実のりの乏しかつた柿の木の下に立つた...
薄田泣菫 「独楽園」
...多くの場合鋸の前に代人として誓つた私の顔を潰すやうなことを平気でしてのけたものだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...巨鋸(おおのこ)や嚢を背負い薬鑵を提(さ)げた男女が...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...役人がその大きな竹の鋸を持つて現はれた時...
長與善郎 「青銅の基督」
...「何でもないよ、六軒の雨戸を調べると、あとの五軒は、いかにも狸囃子に合せて、半刻も一刻もかかって引き切ったように、鋸目が細かくなっているが、お紺の家の雨戸だけは、鋸目が荒くて、一気に引っ切ったことが判ったんだ」「なるほど」「五軒も六軒も荒らした曲者が、物持で通ったお紺の家へ入らないのはおかしいと思われるから、自分の家へも入ったように、嘉七とお紺が細工をしたんだよ」平次の観察は精緻(せいち)を極めます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鋸なんか、思い切った使いようですよ」土蔵の海鼠壁(なまこかべ)を掘って、土台上を厳重に固めた、栗の角材を鋸(ひ)き切った仕事は、宵の花火騒ぎにでも紛れなければ出来ないことです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...× × ×植木屋の鋸(のこ)に從つて切倒される竹からは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大鋸(おほのこぎり)が一梃...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...槌・鋸は普請(ふしん)に欠くべからざる道具なれども...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...書状の包みを鋸屋につき出した...
本庄陸男 「石狩川」
...葉面(ようめん)は長形で鈍鋸歯(どんきょし)がある...
牧野富太郎 「植物知識」
...でなければ細歯の鋸で細工物をする...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...ピンセットだの鋸(のこぎり)だの鋏(はさみ)だの刀(メス)だの...
三島霜川 「解剖室」
...職工達が墨を曳(ひ)いた大小の木材を鋸切(のこぎ)り場(ば)へ持つて行つて...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...鋸の繪をかき出した店があつた...
室生犀星 「京洛日記」
...南の地平線低く真夜中の南極の太陽が鋸歯状に崩れた廃墟の割れ目を通して赤い光を覗かせて...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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