...大きな鋲をベタ一面に打った登山靴をはく...
石川欣一 「山を思う」
...鋲の目が出て髯を揉むと...
泉鏡花 「薄紅梅」
...黄いろい鋲(びょう)のようなものが並んでみえる...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...前夜卓子(テーブル)の脚のところから拾いあげた針のとれている鋲の頭を示しながら)これは犯行に関係のあるものなんです...
海野十三 「麻雀殺人事件」
...殆んどどの男靴にも踵へ鋲穴のあるゴムが打ってあるんだよ...
大阪圭吉 「花束の虫」
...それは練習機からはずれて飛んだ小さな鋼鉄の鋲でした」電話機を投げ出すように置くと池内が叫んだ...
大庭武年 「旅客機事件」
...馬具屋10・27(夕)京大総長の荒木博士が鋲釘(びやうくぎ)の様な大きな頭を持つてゐて...
薄田泣菫 「茶話」
...この函にはただの一本も釘や鋲というものが使ってはありませぬ...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...コロン製鋲会社の社長・亜米利加(アメリカ)の妻楊枝・ハングルグの荷揚人夫・朝の入浴と玉子・下へ曲っている足の小指――これは誰でも未知の人に話しかける時の...
谷譲次 「踊る地平線」
...老マアレイは戸の鋲のように死に果てていた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...長槍及び青銅を鎧ふ勇士の猛勇と*飾鋲(かざりびよう)ある大楯と...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...生きた肉体に鋲(びょう)付けされてる生けるものである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...頭(かしら)も胸も革(かわ)に裹(つつ)みて飾れる鋲(びょう)の数は篩(ふる)い落せし秋の夜の星宿(せいしゅく)を一度に集めたるが如き心地である...
夏目漱石 「薤露行」
...烏眼(くろめ)が画鋲の頭ほどの大きさしかなくて...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...小児の頭ぐらいの真鍮鋲(しんちゅうびょう)を一面に打ち並べた倉庫のような石造洋館が立塞(たちふさ)がっている...
夢野久作 「冥土行進曲」
...鋲門(びょうもん)の袖からばらばらと駈け出して...
吉川英治 「剣難女難」
...美しい夫人が鋲乗物(びょうのりもの)を止(と)めさせた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...帯(おび)のあいだに差(さ)しこんできた銀鋲(ぎんびょう)の短銃(たんじゅう)を右手(めて)につかんだ...
吉川英治 「神州天馬侠」
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