...その観察の鋭敏なることは驚くばかりで...
愛知敬一 「ファラデーの伝」
...久米は官能の鋭敏な田舎者です...
芥川龍之介 「久米正雄氏の事」
...併し自分は人生の中に「あれかこれか」を發見するに特に鋭敏なる感覺を持つてゐるか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...そして鋭敏な処女の感情の動揺に周到な注意を払つて書いてある点など殊にうれしく読まれた...
伊藤野枝 「寄贈書籍紹介」
...少し足りないやうで而も神經の鋭敏なのを...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...母は茶を飲み分ける鋭敏な感覚をもっておりました...
上村松園 「わが母を語る」
...この点に関して非常に鋭敏な氏の感覚は...
高村光太郎 「緑色の太陽」
...針のような鋭敏な頭を擡げて顫え戦(おのゝ)き出した...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...その感受性の鋭敏なることであって...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...嗅覚に対するあのように鋭敏な配慮をもってすれば...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...北斎が夙(つと)に写生の技(ぎ)に長じたりし事並(ならび)にその戯作者(げさくしゃ)的観察の甚(はなはだ)鋭敏なりし事とを窺(うかが)ひ得べし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...申すまでもなく太田三楽が頭脳の働きの鋭敏なること...
中里介山 「大菩薩峠」
...狗と人とはこの点においてもっとも鋭敏な動物である...
夏目漱石 「虞美人草」
...鋭敏な彼の耳は、ふと誰か階段を下りて来るような足音を聴いた...
夏目漱石 「明暗」
...鳥類の不安の感じはかえって人間よりはずっと鋭敏なのである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...人間の脳髄なんぞが寄っても附けない鋭敏な天気予報までも...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...もっと鋭敏なそして迅(はや)い「勘」をもって...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼らの住む原始世界において鋭敏な感受性と繊細に分化した機能を持つ生物だったに違いない...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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