...自己の内容を把握する鋭敏な神經を有しない人々に對しては...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...鋭敏なる読者は、私のこれから述べようとする所を、大方は推察せられたであろう...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...併(しか)し、感覚が鋭敏なら、異(ちが)つた香気のものも用ゐて巧にそこに香気の色彩楽をかなでさせることだ...
大手拓次 「「香水の表情」に就いて」
...彼れが時代の精神に触接するの鋭敏なることは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...これ皆その観察力の鋭敏なると写生の狂熱熾(さかん)なるによるものに非らずして何ぞや...
永井荷風 「江戸芸術論」
...鋭敏な附加能力といったようなものが現われるのですから始末が悪い...
中里介山 「大菩薩峠」
...弁信の鋭敏な頭のうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
...狗と人とはこの点においてもっとも鋭敏な動物である...
夏目漱石 「虞美人草」
...視感の鋭敏な代助にはそれが善(よ)く分(わか)つた...
夏目漱石 「それから」
...視感の鋭敏な代助にはそれが善く分った...
夏目漱石 「それから」
...併(しか)し政治上の事は極めて鋭敏なもので...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...といったような最も鋭敏な嗜欲(しよく)にみちた気分...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...聡明で鋭敏な頭脳が成功に向かう時だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...小さい時から僕は嗅覺がおそろしく鋭敏なのです...
三好十郎 「肌の匂い」
...要するに感受性の鋭敏なるためであろう...
武者金吉 「地震なまず」
...精密鋭敏な考えがあれやこれやとむらがり生じたために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その舌もまた鋭敏ならざるべからず(キケロ)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...同時に貴方の夢中遊行が断じて夢中の遊行ではなかった、極めて鋭敏な、且(か)つ、高等な常識を使った計画的な殺人、強盗行為に相違無かった事を、有力に裏書する証人なのです...
夢野久作 「一足お先に」
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