...そういう見分けには人一倍鋭敏な観察力を持っている葉子にすら見当がつかなかった...
有島武郎 「或る女」
...恋人の鋭敏な神経で...
江戸川乱歩 「影男」
...枝の接近を視力によってよりはむしろ鋭敏な勘(かん)によって知らされつつみちびかれ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...嗅覚に対するあのように鋭敏な配慮をもってすれば...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...特に純粋で鋭敏な文化主義者ならば...
戸坂潤 「読書法」
...最も鋭敏なる者、静平なる者、深き者らは、徐々に読み解いてその正文をもたらすが、その時はもう疾(と)くに仕事はなされてしまっている...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...鋭敏な心の働きとして(もしかしたなら――)と...
直木三十五 「南国太平記」
...鋭敏な感応性に対して払ふ租税である...
夏目漱石 「それから」
...視感の鋭敏な代助にはそれが善(よ)く分(わか)つた...
夏目漱石 「それから」
...uneasy(不安)と云う語は漠然(ばくぜん)たる心の状態をあらわすようであるが実は非常に鋭敏なよく利(き)く言葉であります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...無頓着(むとんじゃく)のようで同時に鋭敏な...
夏目漱石 「明暗」
...疑いもなく彼の鋭敏な精神と状況の不可解さを何としても解明したいという彼の意志が物語に迫真性を与える力となっている...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...証明という精神があまり鋭敏なものでなく...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...その人柄が鋭敏な良心に貫かれている人であったこともうなずける...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
...鋭敏な霊魂に出あうと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...魚の肉をしゃぶり取った骨骼の強く鋭敏な美しさを想像した...
横光利一 「旅愁」
...鋭敏な彼等に気づかれていない...
吉川英治 「江戸三国志」
...一つの不幸を真に意義深く生かす所の力は、あくまでも自己自身についての微妙な、鋭敏な、厳格な認識と批評とである...
和辻哲郎 「停車場で感じたこと」
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