...眼光鋭く、意気激しく、いづれも拳(こぶし)に力を籠(こ)めつつ、知らず知らず肱(ひじ)を張りて、強ひて沈静を装ひたる、一室にこの人数を容(い)れて、燈火の光冷(ひやや)かに、殺気を籠(こ)めて風寒く、満州の天地初夜(しょや)過ぎたり...
泉鏡花 「海城発電」
...言換えると『浮雲』の描写は直線的に極めて鋭どく...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...ち……」と鋭い音を立てた...
薄田泣菫 「茶話」
...此奴が、何を仕出かすか判らねえので――」「よし」小太郎が、鋭く止めた...
直木三十五 「南国太平記」
...キリキリと厚い氷を錐(きり)で揉(も)み込むような鋭い嘲(あざけ)りをも含んでいるのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...それ程彼(かれ)は命(いのち)を鋭(するど)く感じ過(す)ぎた...
夏目漱石 「それから」
......
野上豊一郎 「パルテノン」
...時には鋭い針が感じられたものである! こういった風な...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...けれども心臓を凍らせるような鋭い声が聞こえた...
平林初之輔 「動物園の一夜」
...どんなに鋭敏な触覚でも...
平林初之輔 「二人の盲人」
...鋭さと隔意(かくい)との結合は人を鼓舞するよりもかなり當惑させようとかゝつてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...鋭き声の主はイギリス人なりしこと確実なりと云へり...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...彼の視線は、冷たく、鋭く、彼女にちらちらと投げつづけられる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...眸はいよいよ鋭く...
吉川英治 「私本太平記」
...それもまにあいませぬときは」「精鋭二万...
吉川英治 「私本太平記」
...たいそう鋭い若者になったものよの」彼の成人ぶりに愕(おどろ)いて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...時として鋭い精神の持ち主が未来への投影によって死から逃れようとすることがあったが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...観音を見まもっているうちにはそれが隼(はやぶさ)のように鋭くなる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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