...牙の鋭きこと狼虎(ろうこ)のごとく...
井上円了 「おばけの正体」
...しゅうと鋭く連続的に蒸気を吐きはじめた...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...鋭い悲鳴が聞えた...
アンブローズ・ビアス Ambrose Bierce 妹尾韶夫訳 「マカーガー峽谷の秘密」
...枝の接近を視力によってよりはむしろ鋭敏な勘(かん)によって知らされつつみちびかれ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...この点に関して非常に鋭敏な氏の感覚は...
高村光太郎 「緑色の太陽」
...人一倍鋭いやうに思はれる...
田山録弥 「正宗君について」
...最も直接に感じ得るものの一つは(尤も実際には彼等の大抵は之を感じる程に鋭くなく良心的でもないが)...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...そして、じりっと、脚を引いた刹那「やっ――」真向からの打ち込を、ぱちんと受けて、摺り上げようとした瞬間「やっ、やぁーっ」老人とも思えぬ、鋭い気合が、つづけざまにかかって、引いたと思った刹那に、すぐ、切返して来る早業――たたっと、退ると「ええいっ」刀を立てて、頭を引いたが、一髪の差だった...
直木三十五 「南国太平記」
...「十余年前に申し上げました覚悟――万一、密貿易(みつがい)露見の暁には、手前、一身に負いまして、御家の疵には――」と、まで云うと、斉興の眼は、鋭くなって、叱りつけるような口調で「そりゃ、真実か...
直木三十五 「南国太平記」
...ただの石かと鋭い鑑別の目をそそぎつつ...
永井隆 「この子を残して」
...七兵衛の鋭い権幕(けんまく)を見てゾッとする...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼はたしかに何か鋭いものをもっているような感じは与えるが...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...フィリップスの鋭い目は見逃さなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...強く鋭くて、能く敵を傷つくべき牙と、自ら身を衛(まも)るべき楯を持つ...
南方熊楠 「十二支考」
...鋭くこう反問せねばならぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...曹操はひどく鋭気を削(そ)がれていた...
吉川英治 「三国志」
...その語そのままな鋭い澄明な眼が...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...そうしてその原因はあの曲度の鋭さにあるらしい...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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