...甲羅が黒くて鋏の赤いのもある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...切符に鋏(はさみ)を入れて...
海野十三 「宇宙尖兵」
...そのひとりひとりの兵隊の形を鋏(はさみ)でもって切り抜かせ...
太宰治 「黄金風景」
...それが紫色の鋏をあげて逃げようとでもするように悶掻(もが)いていた...
田中貢太郎 「荷花公主」
...切符の鋏穴(はさみあな)がちがっているというのである...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...芝を刈っているといつのまにか忍んで来て不意に鋏(はさみ)のさきに飛びかかるのが危険でしようがなかった...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...鋏の先を半ば開いた形で...
寺田寅彦 「簔虫と蜘蛛」
...しかしまたあるものは鋏の間に固く食い込んでしまった...
寺田寅彦 「簔虫と蜘蛛」
...もっとも、手はまた生えてくるものらしいが、それにしても、手を落してゆくくらいなら、初めから、鋏を開いて、マッチの棒だけを捨てればよさそうなものだ...
豊島与志雄 「波多野邸」
...子分に鋏(はさみ)を持って来さして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鋏目がよくわかるだらう」「すると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鋏(はさみ)をつかいながら十子が...
林芙美子 「新版 放浪記」
...蟹は双つの鋏を物々しく振り翳しながら海の底をぢよき/\歩いて行つた...
牧野信一 「淡雪」
...で、そっちを見ないようにして、上の土人が網を受取っている暇(ひま)を狙(ねら)って、鋏をあげ、えらい勢(いきおい)でそいつを目がけて飛びついて行きました...
宮原晃一郎 「椰子蟹」
...針金の余りを鋏(はさみ)で切る...
山本周五郎 「季節のない街」
...右の袖は前袴に鋏(はさ)んだままでした...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ちえ子さんの白椿をパチンと鋏切って...
夢野久作 「白椿」
...未亡人の枕元に光っている銀色の鋏(はさみ)を取り上げた...
夢野久作 「一足お先に」
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