...もう花もまれになつたポンポン・ダリアに鋏(はさみ)を入れてゐた...
芥川龍之介 「素描三題」
...そこで鋏を使用して輪郭を切りぬき...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...次に彼は、驚くべき敏捷(びんしょう)さでもって、内懐(ふところ)から、黄色い手袋を出して嵌(は)め、そしてどこに隠してあったのか、マスクをひょいと被ると、例の封筒を指先で摘(つま)みあげて、端の方を、鋏(はさみ)で、静かに截(き)り開(ひら)いた...
海野十三 「空襲葬送曲」
...片っ方のずば抜けて大きな大鋏(おおばさみ)を...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...近くでチョキンチョキンと鋏(はさみ)の音がしました...
竹久夢二 「博多人形」
...芝を刈っているといつのまにか忍んで来て不意に鋏(はさみ)のさきに飛びかかるのが危険でしようがなかった...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...木鋏(はさみ)は放しませんよ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...幾多の肺病患者はめいめいの玉の緒に*18死神の鋏を感じた...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...そうして洋卓(テーブル)の引出から西洋鋏(はさみ)を出して...
夏目漱石 「それから」
...真鍮(しんちゅう)の鋏(はさみ)を取って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...使ひ古した植木鋏が一挺...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...退(ど)いてくれ」腰から抜いた植木鋏(うえきばさみ)を当座の武器に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...八」「鋏をモギ取る時...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鋏をいれたかとも思はれる様な丈の揃つた青草の中の小途(こみち)を...
平出修 「計画」
...自分の目の前にある木の枝の一つへいきなり鋏を入れた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...あの人に会つて下さる?」ハルミは私が置いた鋏を徒らにとりあげながら...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
...なんと鋏で二つずつに切るのだと言った...
正岡容 「寄席」
...そこでその副手から鋭利なゾリンゲン製の鋏(はさみ)を一挺借りて...
夢野久作 「超人鬚野博士」
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