...むしろ古い問の代りに新らしい問を芽ぐませる木鋏(きばさみ)の役にしか立たぬものである...
芥川龍之介 「少年」
...川の空をちりちりと銀の鋏(はさみ)をつかうように...
芥川龍之介 「老年」
...件(くだ)んの鋏をば磨ぎ立てまして...
巖谷小波 「三角と四角」
...鋏(はさみ)を取出した...
梅崎春生 「幻化」
...そのひとりひとりの兵隊の形を鋏(はさみ)でもって切り抜かせ...
太宰治 「黄金風景」
...木鋏(きばさみ)や...
徳田秋声 「あらくれ」
...ましてかかる厳粛なるべき事柄を紅毛の痴戯の類と等し並みに検閲の鋏みの対象とすることは...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...手の鋏を開いてマッチの棒を捨てることを知らない...
豊島与志雄 「波多野邸」
...前に見た針や鋏(はさみ)や糸ばかりでなく...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...*18死神の鋏――運命の三女神のうちアートロポス(Atropos)は運命の絲を斷ちきる鋏を持つものと考えられている...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...下關の港にてうつら/\髪を刈らせて眠り居る足をつれなく蚊の螫しにけり鋏刀もつ髪刈人は蚊の居れどおのれ螫さえねば打たむともせず四日間の旅を經て十日といふに博多につく...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...ランプの心(しん)を剪(き)る鋏(はさみ)はどこにあるんですか」と云(い)ふ小六(ころく)の聲(こゑ)がする...
夏目漱石 「門」
...鋏で以て頭の髪をふツつりと切り取つて龍馬の霊前へ供へるが否や...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...一々鋏(はさみ)で切り取つてある...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...解くのももどかしく鋏(はさみ)で切取り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...途中で何千何百といふ敵の軍艦に出遇ふと苦もなく大鋏を揮つて退治した...
牧野信一 「淡雪」
...几帳(きちょう)の垂帛(たれぎぬ)の縫開(ぬいあ)けから手で外へかき出した髪のあまりのみごとさにしばらく鋏の手を動かすことはできなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...鋏(はさみ)を入れるものなぞが...
室生犀星 「生涯の垣根」
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