...鉦入(かねい)りに...
泉鏡花 「怨霊借用」
...チン」と鉦を叩きながらおばあさんがお経の文句を続けました...
宇野浩二 「でたらめ経」
...その日も清綱さまから京の土産話をさまざま御聴取になつて一日打ち興じて居られましたが、都に於いて去る九日、新日吉小五月会、上皇御幸、その時の美々しくにぎやかな御有様など清綱さまは、ありありと眼前に浮ぶくらゐお上手にお話申し上げて、競馬、流鏑馬、的等の番組は記憶ちがひのないやうに、ちやんとこのやうに紙にしるしてまゐりましたと言つて懐中から巻紙を取り出し、御前にさらさらとひろげて、この時競馬の一番目の勝負は誰と誰、二番目は誰と誰、鼓の役は親定朝臣、鉦鼓は長季、いやもうさかんなものです、などと清綱さまもそれは心得たものでございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...線香の煙がむんむとこもつてるなかで町の子がぎやんぎやんぎやんぎやんひつきりなしに鉦を叩くので頭がみぢやけさうに苦しいのを伯母さんはいつでも撞木をかりて私にも二つ三つ叩かせずにはおかない...
中勘助 「銀の匙」
...法願(ほうぐわん)は凍(こほ)り相(さう)な手(て)に鉦(かね)を提(さ)げてちらほらと大(おほき)な塊(かたまり)のやうな姿(すがた)が動(うご)いて來(く)るまでは力(ちから)の限(かぎ)り辻(つじ)に立(た)つてかん/\と叩(たゝ)くのである...
長塚節 「土」
...鉦太鼓はやまない...
火野葦平 「花と龍」
...銅銭(どら)、鉦、木魚の音...
火野葦平 「花と龍」
...鉦の音が響く度に...
森鴎外 「半日」
...鉦はじめというのは通例である...
柳田国男 「年中行事覚書」
...そしてちんちんと鉦を鳴らしたが...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...あっしがステテコを踊ることになったんで……船の中に派手な三桝(みます)模様の浴衣(ゆかた)と……その頃まだ団十郎(くだいめ)が生きておりました時分で……それから赤い褌木綿(ふんどしもめん)と、スリ鉦(がね)、太鼓、三味線(さみせん)なんぞがチャント揃ってたのには驚きましたよ...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...此方はわざと鉦(かね)を用いたものだともいう...
吉川英治 「上杉謙信」
...さらにもつるる鉦(かね)と笛とが面白そうな諧調を作り出します...
吉川英治 「江戸三国志」
...金鼓を打たせ鉦を鳴らし...
吉川英治 「三国志」
...「退鉦(ひきがね)っ...
吉川英治 「三国志」
...急に退き鉦を鳴らさせたものだと...
吉川英治 「三国志」
...鉦鼓(しょうこ)を鳴らして...
吉川英治 「三国志」
...陣鉦(じんがね)...
吉川英治 「新・水滸伝」
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