...だから小さい時から釣鐘の音やあの宗旨(しゅうし)で使う念仏の鉦(かね)の音は聞き慣(な)れていたんです...
有島武郎 「星座」
...大時計は四つの鉦をうつ五分前のところをさしているのであった...
海野十三 「時計屋敷の秘密」
...木の叉枝で念仏行者のやうにちんちんと行ひすましてゐる鉦叩(かねたたき)や...
薄田泣菫 「独楽園」
...鉦(かね)と三味線(さみせん)で長唄(ながうた)を歌って流して歩いた紅勘というものがあって評判でありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...くちばしで鉦(かね)をたたく山雀(やまがら)だとか...
塚原健二郎 「海からきた卵」
...線香の煙がむんむとこもつてるなかで町の子がぎやんぎやんぎやんぎやんひつきりなしに鉦を叩くので頭がみぢやけさうに苦しいのを伯母さんはいつでも撞木をかりて私にも二つ三つ叩かせずにはおかない...
中勘助 「銀の匙」
...或る者は鉦を打って...
中里介山 「大菩薩峠」
...鉦(かね)と燭臺を出す積りで小さい佛壇を開けると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...女房の三味線に亭主の鉦(かね)で傍見(わきみ)もできない」ガラッ八を甘く見て...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...思ひ出したやうに小さい笊鉦(ざるかね)などを鳴らすのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...五三 鉦打居住地左に掲ぐる地名は以前鉦打(かねうち)部落の住んでいたためにできたものと思う...
柳田國男 「地名の研究」
...鉦はじめというのは通例である...
柳田国男 「年中行事覚書」
...「少年どもに鉦鼓(しょうこ)をうたせ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...鼓をそろえて鉦を鳴らし...
吉川英治 「三国志」
...鉦(かね)、鼓(つづみ)、ささらの如き打棒(だぼう)、あらゆる鼓舞(こぶ)の殺陣楽(さつじんがく)が、彼のお座船ばかりでなく、定禅(じょうぜん)やほかの船上でも狂気のようにとどろき鳴る...
吉川英治 「私本太平記」
...鉦(かね)をたたき...
吉川英治 「私本太平記」
...地蔵菩薩(じぞうぼさつ)に鉦(かね)を手向(たむ)けながら...
吉川英治 「神州天馬侠」
...中に一軒お寺があつて切りに鉦(かね)が鳴つてゐた...
若山牧水 「岬の端」
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