...わたしは勿論この火鉢に縁の焦(こ)げるほど炭火を起した...
芥川龍之介 「夢」
...火鉢の縁に兩腕を突張つて我ながら恐ろしい形相をして居た...
石川啄木 「病院の窓」
...」と火鉢の縁(ふち)に軽く肱(ひじ)を凭(も)たせて...
泉鏡花 「縁結び」
...夜はお互ひの部屋を菓子鉢を提げて行き来し...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...本来ならば皿小鉢(さらこばち)の鳴る音を聞いたら忽(たちま)ち飛んで来るところだのに...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...兄さんの傍に来て火鉢におあたりやす」と手を取らんばかりに世話を焼いた...
近松秋江 「霜凍る宵」
...父親は火鉢の側(そば)で...
徳田秋声 「足迹」
...下の畑で鉢巻(はちまき)をした禿頭(はげ)の爺(じい)さんが堆肥(つくて)の桶(おけ)を担(かつ)いで...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...慶子は火鉢の前に端坐して...
豊島与志雄 「蘇生」
...火鉢はほとんど消えた燃えさしのそばに炉の中に置いてあったので...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...十六になる次の妹春子とが音高く皿小鉢を洗ふ音がしだして...
永井荷風 「来訪者」
...向う鉢巻をはじめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...お柳と勘次が鉢合わせをするまでの間だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...懇意なものはみんな火鉢の方へ丸くなった...
長谷川時雨 「朝散太夫の末裔」
...俄(にわか)に燈炉(とうろ)をたき火鉢をよせ懐炉(かいろ)を入れなどす...
正岡子規 「墨汁一滴」
...二人が頭をつき合わせて一つ鉢の花を見て居て...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...その時にこれを火鉢に燻(くす)べると雷神(かみなり)様が落ちさっしゃれんちうてなあ……梅津の爺さんは身体(からだ)ばっかり大きいヘコヒキ(褌引き……臆病者の意)じゃけに雷神(かみなり)様が嫌いでなあ...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...大きな火の粉が白鉢巻の間に落ちて髪の毛をジリジリ焼いている...
吉川英治 「松のや露八」
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