...鉈豆(なたまめ)の煙管(きせる)をすぱすぱやりながら...
芥川龍之介 「路上」
...かっとなった彼は納屋から鉈を取り出して台所に忍びよったが...
石川欣一 「山を思う」
...齢は今年五十二とやら、以前(もと)十里許り離れた某町に住つてゐたが、鉈、鎌、鉞(まさかり)などの荒道具が得意な代り、此人の鍛(う)つた包丁は刃が脆いといふ評判、結局は其土地を喰詰めて、五年前にこの村に移つた...
石川啄木 「赤痢」
...導者鉈にて一々切りて路を通ず...
大町桂月 「阿武隈川水源の仙境」
...本陣は薪をとってゆくといって崖に倒れた朽木を浜へ落してとんとん鉈(なた)で叩いている...
中勘助 「島守」
...さういふ間(あひだ)に他人(たにん)の林(はやし)に鉈(なた)を入(い)れねば薪(たきゞ)が獲(え)られぬ貧乏(びんばふ)な百姓等(ひやくしやうら)がこそ/\と寮(れう)の木材(もくざい)を引(ひ)いた...
長塚節 「土」
...鉈(なた)の音が丁々(ちょうちょう)とする...
夏目漱石 「虞美人草」
...日ごろ愛用していた鉈豆煙管...
火野葦平 「花と龍」
...彼等は、大鉈をふるつて、格闘をする者のやうな動作で忽ち大木の枝を払ひ落した...
牧野信一 「山を越えて」
...松を伐(き)る鉈(なた)や誤つて土を蘭をとあるのは...
正岡子規 「病牀六尺」
...鉈で伐れるやうな木ならば...
正岡子規 「病牀六尺」
...鉈をふった平次郎は念頭においたが...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...新しい職を求めて鉈(なた)...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...睦田巡査はポケットから鉈豆煙管(なたまめぎせる)を出して粉煙草(こなたばこ)を一服吸い付けた...
夢野久作 「老巡査」
...腰に鉈(なた)のような物を差した農夫の影は...
吉川英治 「私本太平記」
...刃渡(はわた)り一尺(しゃく)四寸(すん)の鉈薙刀(なたなぎなた)をふるってりゅうりゅうとせまり...
吉川英治 「神州天馬侠」
...幾つも鉈(なた)をふり下ろして...
吉川英治 「新書太閤記」
...武蔵の頭脳(あたま)にはまだ今の鉈の音が消えさらないで...
吉川英治 「宮本武蔵」
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