...鉈豆煙管(なたまめぎせる)を噛(か)むように啣(くわ)えながら...
泉鏡花 「瓜の涙」
...導者鉈にて一々切りて路を通ず...
大町桂月 「阿武隈川水源の仙境」
...鍋、バケツ、鉈、鉞、鋸、さういふものも、箱に入れると、小さい包になつて了つた...
田山花袋 「歸國」
...死刑はもっとも手放しにくい鉈(なた)の一つである...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...きのう拾った杉の葉で火をおこしてるところへ本陣が鉈(なた)と鋸(のこぎり)に豆板...
中勘助 「島守」
...彼は思いついたように自分の家に走って木の板と鉈とを持って来た...
長塚節 「太十と其犬」
...さういふ間(あひだ)に他人(たにん)の林(はやし)に鉈(なた)を入(い)れねば薪(たきゞ)が獲(え)られぬ貧乏(びんばふ)な百姓等(ひやくしやうら)がこそ/\と寮(れう)の木材(もくざい)を引(ひ)いた...
長塚節 「土」
...死骸の側には物置から持出した鉈(なた)が投(ほう)り出してあって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兵隊は滅茶苦茶に鉈を振るつてゐる...
原民喜 「壊滅の序曲」
...鉈を振るつて彼の手首を断ち切らうとするのが...
原民喜 「火の唇」
...鉈(なた)を振るって彼の手首を断ち切ろうとするのが...
原民喜 「火の唇」
...と彦太郎はもう草の上に坐りこんで腰から鉈豆煙管(なたまめぎせる)を取り出し...
火野葦平 「糞尿譚」
...どうするか見ろ! 野郎! (いきり立つて懐中からドキドキ光る鉈(なた)を掴み出す)轟 あつ!津村 利助君...
三好十郎 「地熱」
...それを掘り出して鉈ではつり...
柳田國男 「食料名彙」
...鉈(なた)のような刃物(はもの)でそぎわったうすい板であった...
柳田国男 「母の手毬歌」
...そうして鉈(なた)で打(ぶ)ち斬るようにきっぱりと云った...
夢野久作 「暗黒公使」
...手に鉈(なた)がふれた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...鉈の柄(え)はにぎらなかった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
便利!手書き漢字入力検索