...鼻唄ながらに鉈や鎌を研ぎ始めた...
石川啄木 「天鵞絨」
...鉈豆煙管(なたまめぎせる)を噛(か)むように啣(くわ)えながら...
泉鏡花 「瓜の涙」
...皮製で財布のような恰好(かっこう)をした煙草入れに真鍮(しんちゅう)の鉈豆煙管(なたまめきせる)を買ってもらって得意になっていた...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...青竹のもとを鉈(なた)で削(そ)いだりして居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...そして俎(まないた)がわりに拾ってきた板のうえへ鉈で鰹節をかいてくれたが私は雑煮は今度のことにして餅を焼いてたべる...
中勘助 「島守」
...鉈(なた)だのというものを...
中里介山 「大菩薩峠」
...小の側には胡瓜が五六本轉がつて居るので一本剥いて見たくなつたから無心をすると娘は小の手をやめて戸袋の蔭から柄の短い錆びた鉈を出してくれた...
長塚節 「鉛筆日抄」
...船の中には刃物もある筈だ」「――」「どんな鉈(なた)だつて庖丁だつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鉈(なた)を持つて來てくれ」「へエ――」朝の光の中――縁側でサツと割ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鉈(なた)や鉞(まさかり)で殺していいものか悪いものか――」「待ちなよ八...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...物置から鉈を取出し...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...無疵の大鉞の中程に鉈(なた)を入れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼等は、大鉈をふるつて、格闘をする者のやうな動作で忽ち大木の枝を払ひ落した...
牧野信一 「山を越えて」
...天(てん)の句は佐野が宿鉈(なた)ふるふべき藜(あかざ)かな 徴羽郎といふのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...他に焚火(たきび)の材料を切る鉈(なた)とがあった...
室生犀星 「蛾」
...鉈豆煙管を咥えて新聞を読んでいた...
矢田津世子 「凍雲」
...これで物入や籠(かご)や鉈鞘(なたざや)など...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...薪割(まきわり)の鉈(なた)が一ちょう見える...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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