...千山万岳鉄桶を囲繞せる中に...
宇野浩二 「それからそれ」
...ある建具は破(やぶ)れた此の野中の一つ家と云った様な小さな草葺(くさぶき)を目がけて日暮れ方(がた)から鉄桶(てっとう)の如く包囲(ほうい)しつゝずうと押寄(おしよ)せて来る武蔵野の寒(さむさ)を骨身(ほねみ)にしみて味(あじ)わった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...お峰の部屋は鉄桶の如く厳重で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私の歯は一枚の鉄桶のように食いしばられ...
野村胡堂 「死の舞踏」
...役所へ引ッ立てろ」兵は鉄桶(てっとう)の如く...
吉川英治 「三国志」
...鉄桶(てっとう)の如く集まって...
吉川英治 「三国志」
...八面鉄桶(てっとう)の象(かたち)をなしてその勢無慮(むりょ)十数万――その何十分の一にも足らない張飛...
吉川英治 「三国志」
...誰かその鉄桶(てっとう)の中へ入って...
吉川英治 「三国志」
...関羽を討ち漏らさじと鉄桶の構えを備えていたのであるが...
吉川英治 「三国志」
...いわゆる蟻も通さぬ鉄桶(てっとう)の囲いである...
吉川英治 「三国志」
...すでに四山は蜀兵の鉄桶(てっとう)と化し...
吉川英治 「三国志」
...あたりを睥睨(へいげい)している異様な敵人のまわりには――文字どおり甲冑(かっちゅう)の「鉄桶(てっとう)」ができて――それも藤吉郎の手もとと眼(まな)ざしを恐れてか...
吉川英治 「新書太閤記」
...二人を鉄桶(てっとう)の内に取り囲んで...
吉川英治 「新書太閤記」
...兄弟のまわりは敵兵の鉄桶(てっとう)と化(な)っている...
吉川英治 「新書太閤記」
...敵の鉄桶(てっとう)の内であり...
吉川英治 「新書太閤記」
...あだかも四面鉄桶(てっとう)の乱軍を駆けくずし...
吉川英治 「新書太閤記」
...鉄桶(てっとう)から脱出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...無念っ――の声は敢えなく鉄桶(てっとう)の敵に隔(へだ)てられてしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
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