...鈍重な食物で胃腸を充たした時に必ず随伴する...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...鈍重な形をしていた...
梅崎春生 「黄色い日日」
...挙動は敏活でなくてむしろ鈍重なほうであったが...
寺田寅彦 「備忘録」
...積極的には何の障りにもならない鈍重な動物のやうな彼女ではあつたけれど...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...どうも今では恐怖までが何か鈍重な枠に嵌めこまれてゐる...
原民喜 「壊滅の序曲」
...低く垂れていた鈍重な雪雲の幕が一気にひきあけられ...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...それまでの間この鈍重な田舎者が...
久生十蘭 「魔都」
...鈍重ないっぴきの鯖がとうとう人魚につかまりました...
火野葦平 「人魚」
...「おい、みんな、気をつけろ」「なにをや?」一人の老仲仕が、鈍重な語調で、きいた...
火野葦平 「花と龍」
...彼は鈍重な男で、洗練された感情なぞ何年来もったことがなかった...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...あたりの鈍重な空気と...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...あなたの手からは、鈍重な、たどたどしくまじめな、まとめきれない、むき出しな、匂いも味もない、退屈な、陳腐なものが出来上がります...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...鈍重な感じのする大きな厚い葉に...
水上滝太郎 「果樹」
...これは鈍重なかんじを免れない船ではあるが...
山之口貘 「ダルマ船日記」
......
山之口貘 「山之口貘詩集」
...のっそりと鈍重なところや...
山本周五郎 「季節のない街」
...そのべたべたと押し重なった鈍重な銅色の体積から奇怪な塔のような気品を彼は感じた...
横光利一 「街の底」
...正直で鈍重なこの一弟子に...
吉川英治 「山浦清麿」
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