...次いで後腰部に鈍重な疼(いた)みがむくむくと頭をもたげるのを覚えた...
有島武郎 「或る女」
...襟脚はいやに鈍重な感じで...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...河馬(かば)のごとくに鈍重なる所員フノ・ゴメズ君がその選に当る...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...この鈍重な田舎ッペイの中に潜む...
橘外男 「仁王門」
...大きくてぶくぶくした鈍重な図体は...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...なにか鈍重な酔いかたで...
豊島与志雄 「変る」
...その鈍重な喜びの光景をアンナは不快がったに違いない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...鈍重な活力を失わないでいる...
豊島与志雄 「都会に於ける中流婦人の生活」
...どうも今では恐怖までが何か鈍重な枠に嵌めこまれてゐる...
原民喜 「壊滅の序曲」
...ずらりと並んだ黒い銃口の後に、鈍重な顔、無心な顔、快活な顔、生真面目な顔……...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...と掘立小屋の中から鈍重な返事が聞え...
火野葦平 「糞尿譚」
...あたりの鈍重な空気と...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...驢馬の耳のやうに鈍重な神経ばかりが...
牧野信一 「明るく・暗く」
...鼻つまりのやうな鈍重な声で醜い嘶きを発した...
牧野信一 「夜見の巻」
...大陸の凍岸に崩折れしめあらゆるメエルヘンにまして美くしい生活の華―――とろけゆく鉄蹄に刻む馴鹿の自由の花びらを連鎖する一万キロの鈍重な氷壁に聞かしめ流れは溶け―――崩れ―――なだれ資本の濁流に泡立ち―――南下しまっしぐらに...
槇村浩 「獄内にてドイツの同志を思う歌」
...胸の奥に鈍重な空白のようなものがひろがり...
山川方夫 「愛のごとく」
...のっそりと鈍重なところや...
山本周五郎 「季節のない街」
...鈍重な彼もようやく事態のただ事でないのを知った...
吉川英治 「平の将門」
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