...」ほとんど鈍重な感じを起させるほど...
芥川龍之介 「路上」
...容貌も鈍重な感じで...
太宰治 「花火」
...彼はますます鈍重な呆(ぼ)うとした面つきになる...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...積極的には何の障りにもならない鈍重な動物のやうな彼女ではあつたけれど...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...自分の鈍重な頭の中ですべてを混乱させ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかしそれは鈍重な与八が身を起しかけた途端...
中里介山 「大菩薩峠」
...鈍重なそのくせたえず動揺しているような不安定なようすをしていました...
久生十蘭 「ハムレット」
...それは予め彼が鈍重な頭をしぼつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...あたりの鈍重な空気と...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...鈍重な亜米利加の警察も...
牧逸馬 「土から手が」
...驢馬の耳のやうに鈍重な神経ばかりが...
牧野信一 「明るく・暗く」
...私の鈍重な眼蓋をパタパタと叩きながら見る/\うちに私のふところを眼がけて...
牧野信一 「熱い風」
...左程に鈍重な性質でありながら...
牧野信一 「夜見の巻」
...あなたの手からは、鈍重な、たどたどしくまじめな、まとめきれない、むき出しな、匂いも味もない、退屈な、陳腐なものが出来上がります...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...鈍重な感じのする大きな厚い葉に...
水上滝太郎 「果樹」
...どうか精神は鈍重な肉体を生々と目ざましてほしい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これは鈍重なかんじを免れない船ではあるが...
山之口貘 「ダルマ船日記」
...個性という鈍重なものを失って来つつあるからだ...
横光利一 「欧洲紀行」
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