...鈍色のスーツが彼に似合っている...
...この絵の鈍色の背景が印象的だ...
...鈍色の雲が空に広がっていた...
...彼女は鈍色のセーターを着ていた...
...デニムの鈍色のジャケットを買いたい...
...時雨(しぐれ)のような寒い雨が閉ざし切った鈍色(にびいろ)の雲から止途(とめど)なく降りそそいだ...
有島武郎 「カインの末裔」
...鈍色(にびいろ)の樫(かし)のつくりや...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...風冷(ひや)やかに雲低き鈍色空(にびいろぞら)のゆふまぐれ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...鈍色(にぶいろ)を女徳の看板とする教徒の間には顰蹙するものもあった...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...花田の掌にあるものは鈍色(にびいろ)にひかる小さな拳銃であった...
梅崎春生 「日の果て」
...手摺の外には鈍色の海があっておりおり紙片を飛ばすように鴎の舞いたつのが見えた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...鈍色(にぶいろ)の住家(すみか)ならまし...
薄田淳介 「白羊宮」
...私を世に起たしめる上にこの鈍色(にぶいろ)をした拳銃(ピストル)一梃の持つ人生克服の威力...
橘外男 「陰獣トリステサ」
......
中原中也 「山羊の歌」
...素気(すげ)なきカーフの背を鈍色(にびいろ)に緑に上下(うえした)に区切って...
夏目漱石 「虞美人草」
...まるで鈍色の空気に浸ったような街だし...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...夜目にもそれと知れる鈍色(にびいろ)の小狩衣を薄手に着こなし...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...夏の夜の鈍色の雲押し上げて白き孔雀の月昇りきぬ夏の夜の月の出の印象で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...其の鈍色(にぶいろ)を破ツて...
三島霜川 「平民の娘」
...すると、鈍色をした、静まり返った自分の周囲の光景が、かえって心をいらだたせるのであった...
水野葉舟 「帰途」
...源氏のほうは中将よりも少し濃い鈍色にきれいな色の紅の単衣(ひとえ)を重ねていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その鈍色(にびいろ)はいかにも高貴な色調を帯びて...
和辻哲郎 「茸狩り」
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