...光が鈍く※々(じじ)と幽かな音を立ててゐる...
石川啄木 「天鵞絨」
...軒燈の光り鈍く薄暗い停車場に一人残った予は...
伊藤左千夫 「浜菊」
...軍隊にいるとそんな神経は鈍くなってしまうもんだ...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...曠野と言つていいくらゐの鈍く光る大広間で...
太宰治 「お伽草紙」
...奇妙に躊躇して逆流するかのやうに流れが鈍くなるものである...
太宰治 「津軽」
...鈍く輝く硝子の眼球...
富永太郎 「鳥獣剥製所」
...たちまちのうちに精力は鈍くなり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...眠たげで重々しく鈍く...
豊島与志雄 「録音集」
...足を鈍くしたものには相違ないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...当ると思わるる感じは鈍くなる...
夏目漱石 「虞美人草」
...天井のガス燈のマントルが、白い布地の網を、呼吸でもしているように、明かるく、鈍く、光らせている...
火野葦平 「花と龍」
...鈍くなつてしまつたのではあるまいか...
牧野信一 「妄想患者」
...がっかりした様な声で眼の隅から鈍くお金を見て返事をした...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...栄蔵の神経は次第に鈍く...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...八は総(すべ)ての精神作用が鈍くなつてゐるので神経の刺戟も何も起らない...
森鴎外 「金貨」
...精神を鋭くしたり鈍くしたりする特性は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...鈍くひかる水面の静けさが彼をさそっていた...
山川方夫 「その一年」
...宿の方から鈍く重い鼓の音が弾んで来た...
横光利一 「旅愁」
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ああでもないこうでもない 死に損ない 着火
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