...トーントーンという鈍い物音がきこえ...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...そして鈍い気倦(けだ)るいものの中に身を包まれてしまう...
田畑修一郎 「石ころ路」
...腕は鈍らないつもりだがね」こう云われて私は...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...けれどもそれらの人も、ヴァニティや倨傲を棄てて、自分自身に克ちさへするなら、忽ちに新鮮な生活は展けてくる!然し此の錯雑した時勢にあつても、いつかな愚鈍で、有難からぬ幸福のお方もあつて、その手合では、情けとは迎合性や動物的嗜好などを意味するだけで、つまりまあ気分屋なのである...
中原中也 「詩に関する話」
...頭の鈍い大口の受刑者と...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...みな異様な遅鈍状態に陥り...
久生十蘭 「ノア」
...鈍重なそのくせたえず動揺しているような不安定なようすをしていました...
久生十蘭 「ハムレット」
...腕の鈍いのが、生(なま)くら刀を、しかも、びくびくもので、やたらに振りまわしただけ...
火野葦平 「花と龍」
...そんなに鈍(にぶ)くも...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...呼吸が、速く荒くなって、鈍い眼に、動物的な欝血が来た...
牧逸馬 「双面獣」
...さつきの「ハムレツトだつてドンキホーテだつて……」などゝ云つて余の頭の鈍さを披瀝したところで仕方があるまい...
牧野信一 「余の倅に就いて」
...鈍いひびきだった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...はなはだ鈍いものである...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...鈍い羽搏(はゞたき)をして飛んで行く...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...鈍くひかる水面の静けさが彼をさそっていた...
山川方夫 「その一年」
...鈍く光る壁の向うに...
山川方夫 「一人ぼっちのプレゼント」
...先生鈍(どん)」の出奔遺書をのこして京地へ走った一書生の頼久太郎は...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...低く鈍(にぶ)く...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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