...根が愚鈍な淡白者(きさくもの)だけに面白がつて盛んに揶揄(からか)ふ...
石川啄木 「菊池君」
...眠から覚めた様な鈍い泣声が新坊の口から洩れた...
石川啄木 「鳥影」
...つづいてなにかドンと鈍(にぶ)い音がして窓と向き合った扉(ドア)にぶつかったものがある...
海野十三 「空気男」
...十数挺の猟銃が黒い銃身を鈍く光らせて...
太宰治 「女の決闘」
...まんまと自分の鈍才ぶりやばかさかげんや...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...つまり環境への順応が遅鈍であるのか...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...鈍重なずっしりとした容積だった...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...知能ともに世間並みの子供より鈍いことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...三四郎は自分の感受性が人一倍鈍いのではなかろうかと疑いだした...
夏目漱石 「三四郎」
...一銭の失費も出来かね候貧僧の境界とて是非の議に御座なく候」そういう手紙は、娘の死、嬰児の死を素朴に書き伝え、そして、「娘の不行蹟言語道断に候、男の浮薄は鬼畜に劣る、かかる刻薄無残の輩を弟子に持ち知らざる顔にて打過ごす貴殿も冷酷の人に候、無学鈍痴の老僧、今日より仏罰を怖れず呪咀の行を日課と致す可く――」「Tの奴、そんな手紙が私のところへきたのは知らないでいますよ、今でも?――さあ...
長谷川伸 「幽霊を見る人を見る」
...どいつもこいつも鈍物ばかりで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...それは予め彼が鈍重な頭をしぼつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...これ天馬うち見るところ鈍の馬埴馬の如きをかしさなれどこれ作者の自負であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...夕方の雲が鈍(にび)色にかすんで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...鈍い手つきで布子半纏(ぬのこばんてん)をかき合せたり...
山本周五郎 「柳橋物語」
...日光のために鈍く溶け崩れていたが...
横光利一 「旅愁」
...魯鈍(ろどん)な兆候は以前からのものではあったが...
吉川英治 「私本太平記」
...鈍(どん)にも卑屈にもなれる者でのうては出来ぬ)柴田家の一行は...
吉川英治 「新書太閤記」
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