...鈍重な食物で胃腸を充たした時に必ず随伴する...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...此鈍根の身を何としよう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...少し鈍い角度で丁度前を切り取つたようになつてゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...鈍(おぞ)なりや...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...南室で窓の外を写生していた亜太郎の後頭部を鈍器で殴りつけ...
大阪圭吉 「闖入者」
...汽車は鈍(のろ)かった...
徳田秋声 「仮装人物」
...こんどはもう単に鈍い声ではなくて凄惨(せいさん)な声だった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...何んとなく愚鈍(ぐどん)さうでもあります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「…………」尼法師は鈍い光にすかして...
野村胡堂 「百唇の譜」
...一銭の失費も出来かね候貧僧の境界とて是非の議に御座なく候」そういう手紙は、娘の死、嬰児の死を素朴に書き伝え、そして、「娘の不行蹟言語道断に候、男の浮薄は鬼畜に劣る、かかる刻薄無残の輩を弟子に持ち知らざる顔にて打過ごす貴殿も冷酷の人に候、無学鈍痴の老僧、今日より仏罰を怖れず呪咀の行を日課と致す可く――」「Tの奴、そんな手紙が私のところへきたのは知らないでいますよ、今でも?――さあ...
長谷川伸 「幽霊を見る人を見る」
...しばしば最も愚鈍な人間が情熱の努力のお陰で...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...俺の決心は少しも鈍っていなかッた...
久生十蘭 「湖畔」
...あちこちに甲冑(かっちゅう)が鈍(にぶ)く光っている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...鈍(にぶ)い鉛(なまり)のような光で...
宮沢賢治 「シグナルとシグナレス」
...色硝子の窓が鈍い...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「駆落」
...そして自分はfatalistisch(フアタリスチツシユ)な、鈍い、陰気な感じに襲はれた...
森鴎外 「妄想」
...従って稀有・新奇・困難・のために鋭くなる鉾先(ほこさき)を鈍らせることになる」と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これも実際は注意が鈍いためで...
柳田國男 「和州地名談」
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