...灰色の鈍く光る小さい珠の敷きつめられたゆるい傾斜の坂のやうなものである...
太宰治 「お伽草紙」
...誰の眼にも私は鈍重で野暮臭く見えたにちがひないのだ...
太宰治 「思ひ出」
...又譬ふれば鈍き驢馬...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...雲間(くもま)漏(も)る夕日の鈍(にぶ)い光(ひかり)を浮べて唯とろりとして居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...鈍い光に照らされた往来の白い埃(ほこり)や...
中島敦 「光と風と夢」
...極めて鈍い運動であるが骨が折れるかして舞ひながら手元が絶えずぶる/\と震へて居る...
長塚節 「佐渡が島」
...兄さんには甲でも乙でも構わないという鈍(どん)なところがありません...
夏目漱石 「行人」
...街燈の鈍い光の中に客待ちしてゐた五六人の支那人の俥引達がばらばらと二人の側へたかつて來た...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...老いるに従って理解が鈍くなり...
西田幾多郎 「読書」
...この鈍重な男の口から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...腕は少々鈍くとも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鈍い燭の灯に照らされた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ものの言い方の中にあるペッパアの利鈍に感じられるだけです...
三好十郎 「恐怖の季節」
...愚鈍なわたくしの考えをお憐(あわ)れみくださいませ...
室生犀星 「津の国人」
...矢代は首すじから背中の半面へかけひどい疲れで鈍痛を覚えた...
横光利一 「旅愁」
...視覚は無能になり触覚は魯鈍(ろどん)になり...
吉川英治 「江戸三国志」
...「さてさて鈍物という者は仕方がないものだ...
吉川英治 「三国志」
...鈍い声でうめいた...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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