...行く手に輝く希望の光は鈍ってくる...
有島武郎 「二つの道」
...鈍い歩調(あしどり)で二三十歩...
石川啄木 「病院の窓」
...速力がすこし鈍ったらしい...
梅崎春生 「幻化」
...はるかにその美に感ずる力が鈍くなり...
丘浅次郎 「いわゆる自然の美と自然の愛」
...甚(えら)い鈍(どん)な事(こと)とす」楓(かへで)の枝に松潜(まつくゞ)りに似た小さな鳥が飛んで来て...
薄田泣菫 「茸の香」
...嚢笛(ふくろぶえ)のように鈍感な男でした...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...いかによい役者やロケーションを使いいかに上手(じょうず)なカメラマンを使っても監督の腕が鈍くて材料のエディティングが拙ならば...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...「田舎においちゃ腕が鈍ってしまうだろうがね...
徳田秋声 「黴」
...蛙の如く遅鈍になれ...
豊島与志雄 「聖女人像」
...自分の生命に対して鈍いながらも一種の危険を感じたその当時を顧みなければならなかった...
夏目漱石 「道草」
...そして少しばかり愚鈍(ぐどん)らしくさへ見えたのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ずらりと並んだ黒い銃口の後に、鈍重な顔、無心な顔、快活な顔、生真面目な顔……...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...鈍い夢を振り棄てるやうに首を振つて...
牧野信一 「蝉」
...なお鈍感らしい重みを鄭重に続ける必要を感じるのであった...
横光利一 「上海」
...ともあれ、鈍な子と、国香の添え状にも、ことわりのあった者じゃ...
吉川英治 「平の将門」
...鈍中の鈍となって...
吉川英治 「旗岡巡査」
...鈍(にぶ)そうに開けたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...感受力が鈍りきるほど疲れた...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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