...地震学などにも通じた雉は頭の鈍(にぶ)い犬を莫迦にする...
芥川龍之介 「桃太郎」
...感覺鈍麻に過ぎぬ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...いかに愚鈍な人間のすることでも何かしら一つの目的はあるのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...之は恐らく極端な例で私のイコヂな個性と生れつきの鈍感から來て居ることゝ思ふが...
橘樸 「支那を識るの途」
...隣家の肉屋の肉切包丁の鈍い音...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その鈍な重い物音が...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...鈍く痛んだりしてきた...
直木三十五 「南国太平記」
...あとで鈍栗に黙礼をした...
夏目漱石 「野分」
...頭の働きは少々ぐらい鈍くとも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...文人は年を取るにしたがって落想が鈍くなる...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...「あんまり鈍間(のろま)らしくつて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...鉛のやうに重く鈍くなつた...
北條民雄 「発病した頃」
...ほんとうに四季をとほして、しぐれ、粉雪、さゞめ雪、さうしたはつ冬の、鈍い、どんよりとあぐねつくしたしゞまの中に置いてみて、一ばん趣深い「松」だつたやう、おもはれてならない...
正岡容 「下町歳事記」
...福太郎は元来何につけても頭の働きが遅鈍(のろ)い割に...
夢野久作 「斜坑」
...日頃から図抜けた巨漢(おおおとこ)の鈍物と...
吉川英治 「三国志」
...他人が見たらどんな鈍(にぶ)い眸をしているだろうと...
吉川英治 「親鸞」
...禍いだと申しおる」「鈍物(どんぶつ)の一念でしょう...
吉川英治 「平の将門」
...これは私が鈍感であったせいかもしれぬが...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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