...北の國では蚊帳の釣手の獨り殘る頃にはもう機織蟲が壁に來て鳴く...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...数(す)百の釣手...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...其の隣りなる釣り手に向ひ「随分の釣手(つりて)だね...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...洗吉さんは釣手を茶の間へも附けるために...
鈴木三重吉 「桑の実」
...娘が起きて雨戸を二三枚開けてそれから蚊帳の釣手を外す...
長塚節 「開業醫」
...さうしますと母が其では國府田さんにしてあげたらよからうと申しますのでして見ましたのでございますがお氣に召しますかどうかお尋ねしてからと思ひまして此所へ出して置きましたのでございます」といつてランプを机へもどして蚊帳の釣手を一隅外してその射干の花を掛物の側へ置いた...
長塚節 「開業醫」
...他のものは態と太十を起して蚊帳の釣手を切って後から逃げるというのであった...
長塚節 「太十と其犬」
...それで居て彼は蚊帳の釣手を切って愚弄されたことや何ということはなしに只心外で堪らなくなる...
長塚節 「太十と其犬」
...四つの釣手を切って...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...「蚊帳(かや)の釣手でございませう」「まだこの邊には蚊(か)が居るのかい」「御主人樣は大層蚊がお嫌ひでございました」お茂與は靜かにその疑ひを解きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「蚊帳(かや)の釣手でございましょう」「まだこの辺には蚊がいるのかい」「御主人様は大層蚊がお嫌いでございました」お茂与は静かにその疑いを解きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今夜は釣ってみようとおっしゃって――」「で?」「釣手は一パイになっているが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...蚊帳の釣手(つりて)は切れた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蚊帳は二所(ところ)釣手がひきちぎられて一方にだらりと下り...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...一体この釣鉤は誰が垂れてゐるのか! それにしても相当腕の好い釣手に相違ない...
牧野信一 「冬の風鈴」
...田圃の釣堀釣手少く新鯉を入れぬ事一...
正岡子規 「病牀六尺」
...天井から「戎(えびす)」または「大黒(だいこく)」と呼ぶ欅作(けやきづく)りの大きな釣手(つりて)を下げ...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...祖母ハ蚊帳ノ釣手ニ...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
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