...竪坑口で逃げ惑っている人びとを思わず釘付けにするような...
大阪圭吉 「坑鬼」
...私は、大急ぎで階段を駈け降りて、有合(ありあわ)せの下駄を突っ掛けたが、一足躍り出した途端に思わず固唾(かたず)を呑んで、釘付けになった...
橘外男 「生不動」
...一木の釘をも用いず...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...彼は一々胸に釘うたるゝ思であった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...行李(こうり)のような四角なものの中に釘づけにされて運び出され...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...互に互を釘付(くぎづけ)にして立つ...
夏目漱石 「虞美人草」
...外から雨戸を釘付けには出來ないぢやありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...内から釘が插してあると云ふだけを見て...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...何かこの女性には関心を釘付けにするものがあった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...さらにまた「縫模様をピリピリと破いてポカリッと火の中へ入れて、呼吸(いき)遣い荒く、ああと言って柱のほうへ往くと、柱に何か貼り付けてあって、釘が打ってある、それを石でコツーンと力に任せて打ちひょろひょろと転げてはまた起ち上って打つ事は幾度か知れません、打ち付けて、終(しまい)に石を投げ附けて、ひょろひょろと元の処へ戻ってきて、また火の中へ何かくべて居るその様子は実に身の毛もよ立つ程怖い」いう迄もないこれがお里の母の成れの果てで、江島屋があのようなものを売ったばかりに、可愛い娘を殺してしまった...
正岡容 「我が圓朝研究」
...琺瑯色(はふらういろ)の日光に焼釘(やけくぎ)の頭(あたま)を並べて呼吸(いき)をする...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...全体に一本の釘も使用しない元始的な構造で...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...昼間打合せに来た率八がお迎えにまいりましたんで、いつもと違って今夜はだいぶ捕手の配りが厳重だから、とても姐御ひとりでは逃げきれまいと――親分も心配して、ここへ雲霧の兄哥(あにい)と四ツ目屋の新助も一緒に参っておりますから、支度がよかったらすぐ裏口の方から……」合図をして問わず語りにしゃべり出したのを聞くと、釘勘は家の中で、「しめた」と、明りを吹き消し万太郎の耳へ、「いよいよやって来たらしゅうございます……」「お、日本左衛門が?」と驚いた様子で、万太郎も思わず腰を上げました...
吉川英治 「江戸三国志」
...どうした事かと消息を案じておろうな」「釘勘へは...
吉川英治 「江戸三国志」
...捻釘(ねじ)廻しを彼らに預けた...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...ふと壁の釘に掛けてある新九郎の着更(きがえ)...
吉川英治 「剣難女難」
...門も戸も釘付けにしたまま...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ラセン釘削りの器械を廻していた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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