...喜寿を迎えると、金輪際ともう女房にイヤミを言わないことに決めた...
...金輪際(こんりんざい)拝し得られぬ苦しみは忍びようがなかった...
有島武郎 「クララの出家」
...いくら論じたって彼らには金輪際(こんりんざい)わかりっこないことを知っているからだ――私は紳士的微笑とともにしずかに麺麭(パン)をむしりながら話題を転じただけだった...
谷譲次 「踊る地平線」
...またお母さんに聞いたって金輪際それを明す訳はないと思っているから...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...この件については金輪際口にするなと...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...金輪際やまるものじゃないんだ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...そして金輪際その秘密を守りますよ』『まあ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...毒々しい憎悪は金輪際ありませんでした...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...一旦仰せ出された上は金輪際(こんりんざい)變替は遊ばされぬ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...萬事にかけて清潔なことは金輪際...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...ちよつと右左を御覽になる、その度ごとにお眉とお眼がちらほらと……ちえつ、なまんだぶ、おれはもう助からん、金輪際、助かりつこない! それはさうと、なんだつてまたこんな雨降りにお出ましになつたんだらう! 成程これで、女つてものはどこまで襤褸つ切れに眼がないかつてことがわかる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...マニーロフは我等の主人公の手を金輪際はなすまいとして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ぢや、まあ、お話をするが、もう金輪際、これがほんとのおしまひですよ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...「はあて!」「はあてだと、まつたくそれこそ、はあてだて! ちえつ、あの委員の畜生めが、旦那衆のうちで梅酒を呑みくさつた後で口を拭くことも出来なくなりやあがればいいんだ、こねえな、金輪際、小麦ひとつぶ捌けつこねえ、忌々しい土地を市場にきめやあがつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...男女というものは長くつきあっているうちに愛しあうようになるなんてことは金輪際ないと妾は思うんです...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...金輪際やめたつもりでゐたのだが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...さて、桐渡ガラドウが、今更そんな風に私の方を向いて、先生――などゝ呼びかけても、もう私は金輪際、返事などをするものか...
牧野信一 「バラルダ物語」
...頭を下げて御座るまでは金輪際口を割らん積りじゃったが」「……人の悪い……そげな事じゃろうと思うたけに...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...金輪際こんなことはいいもしないが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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