...四十格好の克明(こくめい)らしい内儀(かみ)さんがわが事のように金盥(かなだらい)に水を移して持って来てくれた...
有島武郎 「或る女」
...静子が薦める金盥(かなだらひ)の水で真似許り手を洗ふ...
石川啄木 「鳥影」
...金盥へ入れた硯の上へ颯(さっ)とかかる...
泉鏡花 「婦系図」
...」と始めて金盥を覗込(のぞきこ)んで俯向(うつむ)いた時...
泉鏡花 「婦系図」
...」私が金盥を持って戻って来た時には...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...血は金盥を越え畳一面に染みていた...
田中英光 「さようなら」
...女は金盥に一杯湯を貰つて体を拭いた...
田山花袋 「耶馬渓の一夜」
...水のはいったブリキの金盥をのせてる小さな卓子を...
豊島与志雄 「神棚」
...痛(いた)み入谷(いりや)の金盥(かなだらい)でございますな」「さあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...金盥が枕に近く押付けてあったので...
夏目漱石 「思い出す事など」
...手に小さな金盥(かなだらい)を持ちながら...
夏目漱石 「行人」
...今度は金盥を持っていない...
夏目漱石 「坑夫」
...瓶(びん)の水をジャーと金盥(かなだらい)の中へあけてその中へ手を入れたがああしまった顔を洗う前に毎朝カルルス塩を飲まなければならないと気がついた...
夏目漱石 「倫敦消息」
...金盥(かなだらい)で手を洗った...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...「金盥(かなだらい)へ半分も吐きましたよ」と治兵衛は声をひそめて云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...父は手ずから金盥(かなだらい)に水を入れて二階の板縁に持出し...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...妻は小さな金盥を持つて彼の傍へ來た...
横光利一 「悲しみの代價」
...金盥を持って来る...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
便利!手書き漢字入力検索