...野鼠の群に苦しめられながら...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...食物にも選り嫌いというものが少なく、小鳥も食い、蛇も食い、野鼠も食い、魚類も食い、昆虫も食い、蝸牛(かたつむり)も、田螺(たにし)も食うかと思えば、果実の類はまた最も好むところで、木に攀(よ)じ上ることの技能を兼ねているのはその故である...
中里介山 「大菩薩峠」
...此の男の皮膚はスコールの後の野鼠の様に絶えず汗でびっしょり濡れている...
中島敦 「南島譚」
...野鼠どこに私らの幸福があるのだらう泥土(でいど)の砂を掘れば掘るほど悲しみはいよいよふかく湧いてくるではないか...
萩原朔太郎 「青猫」
...さうしてとりかへしのつかない悔恨ばかりが野鼠のやうに走つて行つた...
萩原朔太郎 「青猫」
...なみだによごれためるとんのづぼんをはいて私は日傭人(ひようとり)のやうに歩いてゐるああもう希望もない 名譽もない 未來もないさうしてとりかへしのつかない悔恨ばかりが野鼠のやうに走つて行つた...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
......
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...さうしてとりかへしのつかない悔恨ばかりが野鼠のやうに走つて行つた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...これだけでは野鼠冬中刈り残しの稲ばかり害するようだが...
南方熊楠 「十二支考」
...野鼠はいかにも疲れたらしく...
宮沢賢治 「蛙のゴム靴」
...それ全体を野鼠(のねずみ)が心配して考へるのですから...
宮沢賢治 「蛙のゴム靴」
...まず野鼠は、ただの鼠にゴム靴をたのむ、ただの鼠は猫(ねこ)にたのむ、猫は犬にたのむ、犬は馬にたのむ、馬は自分の金沓(かなぐつ)を貰(もら)うとき、なんとかかんとかごまかして、ゴム靴をもう一足受け取る、それから、馬がそれを犬に渡(わた)す、犬が猫に渡す、猫がただの鼠に渡す、ただの鼠が野鼠に渡す、その渡しようもいずれあとでお礼をよこせとか何とか、気味の悪い語(ことば)がついていたのでしょう、そのほか馬はあとでゴム靴をごまかしたことがわかったら、人間からよっぽどひどい目にあわされるのでしょう...
宮沢賢治 「蛙のゴム靴」
...野鼠(のねずみ)のような黒衣(くろご)の群(むれ)...
吉川英治 「江戸三国志」
...末路は野鼠の白骨と変るなからん...
吉川英治 「三国志」
...野鼠の肉をくらい...
吉川英治 「三国志」
...草の根を這う鶉(うずら)のように――或る時は野鼠のような迅(はや)さで――彼はようやく有海(あるみ)ヶ原(はら)まで敵の眼をかすめて来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...天下の恐れとなっている梁山泊とやらの野鼠(やそ)の巣(す)...
吉川英治 「新・水滸伝」
...野鼠のおかげで全軍の三分の一しか生きて還らなかったという噂なども...
吉川英治 「源頼朝」
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