...ぬかづける野辺に...
上里春生 「或る月夜に」
...木立(こだち)を見れば沙門等(しやもんら)が野辺(のべ)の送(おくり)の営(いとなみ)に...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...身はたとい武蔵の野辺(のべ)に朽ちぬとも留めおかまし大和魂の辞世を残し...
高神覚昇 「般若心経講義」
...古くから上野辺に住んでいた小村には親の代から馴染(なじみ)の深い...
徳田秋声 「仮装人物」
...野辺より彼方の友とては……この時...
中里介山 「大菩薩峠」
...野辺地という町に着いた...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...あはれ昔いかなる野辺の草葉よりかかる秋風吹きはじめけん 家隆にも一首あり 浅茅原秋風吹きぬあはれまたいかに心のあらんとすらん 伏見院のは 我も悲し草木も心痛むらし秋風触れて露下る頃 永福門院のは 夕暮の庭すさまじき秋風に桐の葉落ちてむら雨ぞ降る で之は少し趣きが違ひ風も荒く村雨も降る場合だが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...せっかくの野辺山が原もいい気もちになって歩きまわるわけにゆきそうもない...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...しかし後ちに野辺で同様見出されてそれをやはりツボスミレといっても...
牧野富太郎 「植物記」
...「それに戦(いくさ)はお師匠(しょ)さん四谷へおいでの時分から上野辺じゃ...
正岡容 「小説 圓朝」
...「恋はやさしい野辺の花よ」の「ボッカチオ」や「岩にもたれた物凄い人は」の「ディアボロ」を高唱しつつカーボーイの帽子を冠つて...
正岡容 「大正東京錦絵」
...……そうよ、野辺山なら、この草ん中あドンドン此の方角へ行きやすとな、いろいろ小径が有るがそんなもんに目をくれずとな、真直ぐに七八丁行くと、営林区の林道に突き当るから……林道と言っても草の生えた、そうよ、唐松の林を二間幅ぐれえに一直線に切り倒したとこだあ、それを左へ行くと直きに運送の道路に出るだから、それに附いてドンドン行くと、県道になるからな、それを右へ取って行くとひとりでに野辺山の駅だ...
三好十郎 「おりき」
...その当時は野辺山かいわいには狐や狸はもちろん...
三好十郎 「樹氷」
...帰り掛に上野辺まで一しょに行こうということになった...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...まず最初には霧立つ野辺のごとき...
柳田国男 「雪国の春」
...野辺送りという位だから……ハハハ」悔状(くやみじょう)は一々私が開封して眼を通したが...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...一本には淵野辺ともあり...
吉川英治 「私本太平記」
...どこの野辺(のべ)ともわからないが...
吉川英治 「神州天馬侠」
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