...野辺の送りのさまざまな行事がとり行われている間は...
モオパッサン 秋田滋訳 「墓」
...)秋風に別れ別れの虫と虫草の葉かげでころりんと別れのゆふべ鳴いたとさ秋風に別れ別れの野辺に来てけふも一人でころりんと鳴けばむかしの虫が来るかも瓜 (如何にも感に堪へたやうに)お蔭でわしの憂鬱もどつかへけし飛んでしまつたやうだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...黄菊紫蘭の野辺とぞなりにける...
中里介山 「大菩薩峠」
...涙ながらに野辺送(のべおく)りを済ましてよりいまだ四十日を出でざるに...
福田英子 「妾の半生涯」
...いままではさほどにも思っていなかった「野辺山」という土地の名がいかにも美しい...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...例えば「山ぶきの咲きたる野辺のつぼすみれこの春の雨に盛りなりけり」あるいは「茅花ぬく浅茅が原のつぼすみれ今盛りなり吾が恋ふらくは」などがこれである...
牧野富太郎 「植物記」
...白い蝶と黄な蝶との二つが余念無く野辺に隠れんぼをして遊んで居る...
正岡子規 「蝶」
...年中ゆりの花のさいていてたのしい緑の野辺について...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...小い古本屋共がアテなしに買ったからである近頃新たに出た円本もヤハリ同じ運命に陥ってツブシの原料に成るであろう萌出るも枯るるも同じ野辺の草いずれか秋にあわで果るべきハヤリ物にロクなものなし「流行物にロクなものなし」とはよくも云った古諺である...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...……そうよ、野辺山なら、この草ん中あドンドン此の方角へ行きやすとな、いろいろ小径が有るがそんなもんに目をくれずとな、真直ぐに七八丁行くと、営林区の林道に突き当るから……林道と言っても草の生えた、そうよ、唐松の林を二間幅ぐれえに一直線に切り倒したとこだあ、それを左へ行くと直きに運送の道路に出るだから、それに附いてドンドン行くと、県道になるからな、それを右へ取って行くとひとりでに野辺山の駅だ...
三好十郎 「おりき」
...どうして野辺山の方へ来て暮さねえかな...
三好十郎 「樹氷」
...小諸から小海線で野辺山という所まで行きたいんだがな...
三好十郎 「樹氷」
...「夕されば野辺(のべ)に鳴くてふかほ鳥の顔に見えつつ忘られなくに」などとも口にしていたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あるいは温室にあるいは野辺にその香を競うた...
柳宗悦 「北九州の窯」
...私どもの「野辺のゆきき」なども全部これであった...
柳田国男 「故郷七十年」
...天下の野辺におさがし下さい」「それほどな女性(にょしょう)が世にいようか」「あははは...
吉川英治 「平の将門」
...田原の野辺で非業(ひごう)な最期をとげてしまいました...
吉川英治 「源頼朝」
...野辺の送りの柩(ひつぎ)を目がけても跳びついてくる...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索