...野辺の若菜を籠へ一杯摘みためまして...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...古くから上野辺に住んでいた小村には親の代から馴染(なじみ)の深い...
徳田秋声 「仮装人物」
...三人で上野辺を散歩して...
徳田秋声 「縮図」
...野辺に萩咲く秋になりました...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...其の側女日ごろ野辺の若艸つのぐむことをのみ明暮の楽みとなせし女子なりければ...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「土用干ノ記」
...「山野辺、楯岡一味の者が、向島に栄耀の日を送っておる、最上家の仇、最上の怨み、あれをその儘(まま)に見過す法はない――と」「マア」「武道のため、斬ってしまえと言うのだ」「私風情が申す迄(まで)もございませんが――それでは余吾之介様、争いに争いを重ね、血で血を洗うことになりましょう」「されば」「どうぞ、左様な事を思い煩(わずら)いませんように、鹿の子がお願いでございます」「心配するな、俺はまだ何(ど)うしようという気もあるのではない、お秋の言葉にも一理はあると思っただけの事だ、が、俺はもう人を斬る気も血を見る気もない」「余吾之介様」二人は手をとりあうでもなく、雛と雛のように、静かな顔を見合せるのでした...
野村胡堂 「十字架観音」
...たった一人の方が負けに決まっております目ざす山野辺右衛門大夫は顔も見せません...
野村胡堂 「十字架観音」
...野辺山駅に着いた...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...年中ゆりの花のさいていてたのしい緑の野辺について...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...その当時は野辺山かいわいには狐や狸はもちろん...
三好十郎 「樹氷」
...野辺山なら下りの汽車が来る迄...
三好十郎 「樹氷」
...手に摘みていつしかも見ん紫の根に通ひける野辺(のべ)の若草このころの源氏の歌である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...大方(おほかた)の秋の別れも悲しきに鳴く音(ね)な添へそ野辺(のべ)の松虫御息所(みやすどころ)の作である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...帰り掛に上野辺まで一しょに行こうということになった...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...いま野辺をゆく人たちはどうであろうかと胸をいためる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ツウルの野辺(のべ)の雛罌粟(コクリコ)の赤い小路(こみち)を君と行(ゆ)き...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...すがれ始めた野辺のひなたの花である...
若山牧水 「秋草と虫の音」
...信州野辺山が原の中に在る板橋の宿(しゆく)まで行かうといふ...
若山牧水 「木枯紀行」
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