...からからに乾いて蝕まれた野葡萄(のぶどう)の葉と...
有島武郎 「星座」
...あけびや野葡萄(えびづる)やを沢山座敷中(じゅう)へ並べ立てて...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...埋もれた噴火口の跡には小さな草や野葡萄が生えてゐただけだつた...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...よつてイザナギの命が御髮につけていた黒い木の蔓(つる)の輪を取つてお投げになつたので野葡萄(のぶどう)が生(は)えてなりました...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...野葡萄(のぶどう)の酒でも...
太宰治 「母」
...翁の室と板廊下一つ隔てた街道側の八畳にくつろいで居ると、翁は菓子、野葡萄、玉蜀黍、何くれと持て来ては鶴子にも余等にも与え、小さな炉を中に、黒い毛繻子の前掛の膝をきちんと座って、さま/″\の話をする...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...青銅色の果(み)をつけた野葡萄の木は隣家(となり)の中庭(には)のこつちをばこつそり通り抜けるのでした...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...左はだらだらの谷で野葡萄(のぶどう)や雑木が隙間(すきま)なく立て込んだ...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...野葡萄(のぶだう)のやうな眼を剥いた大親仁...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」さつきから野葡萄ばかりさがしてゐた金太(きんた)がさう云ふと...
槇本楠郎 「栗ひろひ週間」
...野葡萄や通草(あけび)をとりながら...
槇本楠郎 「栗ひろひ週間」
...ギゾ釣エブコ(野葡萄(のぶどう)の如き野草の茎の中に棲(す)む虫)を用ゐるものは鮠釣ギスゴ...
正岡子規 「病牀六尺」
...現在は其粉に蓬や野葡萄の葉の干したのを交ぜて...
柳田國男 「食料名彙」
...現在はその粉に蓬(よもぎ)や野葡萄(のぶどう)の葉の干したのを交ぜて...
柳田國男 「食料名彙」
...野葡萄の汁が瓶の中で酒の匂いをたてている...
横光利一 「夜の靴」
...野葡萄のような瞳をもち...
吉川英治 「平の将門」
...草庵の前の一本の樹に絡(から)んでいる野葡萄(のぶどう)の葉蔭から...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「畜生」その藺すだれもズタズタに斬り、外の野葡萄も、乱離と斬って、なお、野を見廻していた伊織は、二ツの眼の行方を、天の一角に見つけた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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